2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of minimally invasive treatment based on risk assessment for HPV-mediated oropharyngeal carcinomas
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18K09361
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
家根 旦有 近畿大学, 奈良病院, 教授 (40220199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 講師 (20580559)
藤井 正人 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (70129633)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中咽頭癌 / HPV / 次世代シーケンサー / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
サンプルとして頭頸部癌基礎研究会のメンバーである14施設から2014年5月から2016年3月までの期間に、StageⅢ/Ⅳ中咽頭癌の新鮮凍結標本80例を集め、HPVの感染の有無および次世代シーケンサーを用いて遺伝子解析を行った。 HPVをPCRにて解析した結果は、中咽頭癌80例中HPV陽性は56例(70%)、HPV陰性は24例(30%)であった。HPVのgenotypeはHPV16型49例(87.5%)、HPV35型3例(5.4%)、HPV58型2例(3.6%)、HPV31型1例(1.8%)、HPV33型1例(1.8%)であった。次世代シーケンサーにて遺伝子解析した結果は、HPV陽性のうちPIK3CAの変異が最も多く12例(21.4%)、次いでFGFR3が5例(8.9%)、PTENが4例(7.1%)であった。HPV陰性ではTP53の変異が最も多く11例(45.8%)であった。HPV陽性中咽頭癌患者のoverall survival (OS)とdisease-free surviva (DSF)はHP陰性中咽頭癌患者と比べて明らかに良好であった。HPV陽性中咽頭癌患者におけるPIK3CA変異の有無でのOSおよびDSFに差は認められなかった。 次世代シーケンサーを用いて中咽頭癌の遺伝子解析を行った結果、HPV陽性中咽頭癌患者ではTP53遺伝子変異は少ないがPI3KCA遺伝子変異は多いことがわかった。これらの結果からは日本でのHPV陽性中咽頭癌の遺伝子変異は諸外国と同様な傾向であることを示唆するものと考えた。中咽頭癌の治療選択にはHPV statusを考慮して治療強度を考える必要があると考える。
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