2019 Fiscal Year Research-status Report
ルテイン投与による還元型チオール増加を介した抗酸化能力の増強
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18K09448
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大平 明弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員教授 (00169054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海津 幸子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (00325052) [Withdrawn]
和田 孝一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90263467)
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 網膜光障害 / ルテイン / 抗酸化酵素 / 活性酸素 / 黄斑色素 / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜光障害の首座は視細胞と網膜色素上皮細胞に生じる。ラット、マウスを用いてフラボノールの一種である、クエルセチン (文献1) と栃の実の殻に存在するプロアンチシアニジン(文献3)とカルテオロール塩酸 (文献2)の網膜への影響を調ベ、これらの物質が網膜の機能、形態を光障害から防御することを報告した。 栗の実の殻からのポリフェノール化合物は網膜脂質の酸化を抑制した。 種子の殻からの高分子量のA型プロアントシアニジンは、酸化ストレスとアポトーシスのメカニズムを抑制することによって、ラットの網膜を光照射による損傷から保護した。 カルテオロールは生理食塩水処置群と比較してチオレドキシン1とグルタチオンペルオキシダーゼ1のmRNAレルベを有意に上方制御した。カルテオロールは、BSO/グルタミン酸誘導細胞死を有意に抑制し、in vitroでカスパーゼ-3/7活性およビROS産生を減少させた。 マウスの皮膚と眼に紫外線Cを照射して皮膚では222 nm-UVCランプは、皮膚がんの発生という観点からは、人間の皮膚の滅菌に安全に使用できることを示唆している(文献4)。 ルテインが加齢黄斑変性の進行を緩和化し(文献5)、眼の疾患における抗酸化物質が有効であることのレビューを記載した。 難治性ぶどう膜炎に対する高濃度ステロイド点眼の有効性について報告し、その機序に酸化ストレスの軽減、抗炎症作用の関与を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
消費生活上での消費者の生命・身体に関する事故等について、医師から直接の情報提供を受け付ける窓口として、国民生活センターでは、「医師からの事故情報受付窓口」(愛称:ドクターメール箱)を設置しています。なお、公益社団法人日本医師会の「健康食品安全情報システム」事業(注4)には、健康食品による薬物性肝障害の情報が2006年11月から2017年6月までの10年8カ月の間に27件寄せられている。 薬の服用により肝臓の機能が障害される薬物性肝障害があり、健康食品等でも発症することがある。発症頻度はまれだが、重症化する場合もある。そこで、今回の臨床研究を行う過程で、被験者に有害事象が生じないか、ルテイン服用で肝機能を含む酸化ストレスのマーカーである諸検査を行った。 20代から40代の健康な男女を対象に、フリー型ルテインとエステル型ルテインを3カ月間投与し、その間の酸化ストレス状態を測定した。現在の検査結果の解析中である。 マウス由来視細胞株である661Wを用いて、青色光誘発視細胞障害に対するルテインの作用を検討した。結果として、ルテイン添加は青色光照射によって誘発される死細胞率の増加及び Reactive oxygen species (ROS) 産生量亢進を抑制した。
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Strategy for Future Research Activity |
【今年度の大まかな計画】1. ルテインが酸化ストレスに及ぼす作用に関して、視細胞に着目し検討を行う。2. 視細胞はマウス由来視細胞株である661Wを用いる。3. 細胞内に、過酸化水素を添加することでストレス負荷する。4. Lutein (+), Lutein (-) 5. 細胞生存活性、死細胞率を評価する。6. ROS assay、thiobarbituric acid reactive substances (TBARS) assayを行う。7. ウエスタンブロット法、免疫染色法を用いて酸化ストレス関連因子の発現及び局在について検討を行う。
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Causes of Carryover |
理由:当初の研究計画に分担者の変更等があり、新たなin vivoの実験に遅れが生じたため、次年度使用が生じた。 使用計画:研究用消耗品、論文投稿料、論文校正費、研究打合せおよび発表等の旅費に使用予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Long-term effects of 222 nm ultraviolet radiation C sterilizing lamps on mice susceptible to ultraviolet radiation.2020
Author(s)
Yamano N, Kunisada M, Kaidzu S, Sugihara K, Nishiaki-Sawada A, Ohashi H, Yoshioka A, Igarashi T, Ohira A, Tanito M, Nishigori C
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Journal Title
Photochem Photobiol
Volume: 96
Pages: 853-862
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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