2021 Fiscal Year Research-status Report
ルテイン投与による還元型チオール増加を介した抗酸化能力の増強
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18K09448
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大平 明弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員教授 (00169054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海津 幸子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (00325052) [Withdrawn]
和田 孝一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90263467)
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 学長 (20381717)
北岡 隆 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80234235)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 網膜光障害 / ルテイン / 抗酸化酵素 / 活性酸素 / 黄斑色素 / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
1. ヘミン誘発網膜色素上皮細胞障害に対するルテイン-P80の保護作用の検討 [方法]ヒト網膜色素上皮細胞株 (ARPE-19) を播種し、培養した後、ルテイン-P80を前処置しヘミン (25μM) を添加した。ヘミン添加24時間後に死細胞率を検討した。[結果] ARPE-19へのヘミン処置により、死細胞率が増加した。Lutein-P80 (0.1、1、10μg/mL) は細胞保護作用を示さなかった。 2. 青色LED光誘発視細胞障害に対するルテインの保護作用の検討 マウス視細胞株 (661W) を播種し、24時間培養した。ルテイン-P80及びフリー体ルテインを処置し、6時間培養後、青色LED光を24時間300 luxで照射した。照射終了後、死細胞率を評価した。CM-H2DCFDAを用いてROS産生量を評価した。[結果]Lutein-P80を用いた検討 661Wへの青色LED光照射により、死細胞率が増加し、Lutein-P80 (0.3μg/mL) 添加により細胞死が抑制された。Lutein-P80 (0.1、0.3μg/mL) はROS産生量を抑制しなかった。フリー体Luteinを用いた検討 661Wへの青色LED光照射により、死細胞率が増加し、フリー体Lutein (30及び60μM) 添加により細胞死が抑制された。フリー体Lutein (3-30μM) 処置群においてBlue LED光照射に伴う活性酸素種産生が抑制された。[検討項目] [方法]青色LED光誘発網膜障害モデルマウスに対するルテイン-P80の作用検討 8週齢雄性ddYマウスを24時間の暗順応後、800 luxの青色光を2時間照射した。青色光照射から3日後、組織評価を行った。薬物投与は経口投与にて行い、溶媒(オリーブ油)または100、300 mg/kgのルテイン-P80を青色光照射10日前から試験終了時まで1日2回 (午前8時、午後8時) 投与した。[結果]青色光照射によるONL厚の低下はルテイン投与によって改善傾向を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
下記により、研究は進んでいるが、新型コロナの影響により十分な研究時間を取れずやや遅れが生じた。 青色LED光誘発視細胞障害に対するルテイン-P80及びフリー体ルテインの保護作用の検討を行った。661Wへの青色LED光照射により、死細胞率が増加し、Lutein-P80 (0.3μg/mL) 添加により細胞死が抑制された。Lutein-P80 (0.1、0.3μg/mL) は活性酸素種産生を抑制しなかった。 青色LED光誘発網膜障害モデルマウスに対するルテイン-P80の作用検討した。青色光照射による網膜外層厚の低下はルテイン投与によって改善傾向を示した。 ルテインは網膜光障害の程度を軽減することが確認された。今後、加齢黄斑変性の発病、疾患進行の抑制に寄与することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト網膜色素上皮細胞株 (ARPE-19) を培養し、ルテイン-P80による効果はヘミン添加24時間後に死細胞率を増加させた。Lutein-P80 (0.1、1、10μg/mL) は細胞保護作用を示さなかった。細胞保護作用の至適条件を検討する。 661Wへの青色LED光照射により、死細胞率が増加し、フリー体Lutein (30及び60μM) 添加により細胞死が抑制された。この過程でどのような活性酸素種が増加するか検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響は未だ解決されず、諸実験の試薬購入、動物飼育状況に遅延を来している。このため、結果が得られるまでの時間を要している。 今後は次年度への延長が認められたため、結果の取得と解析に慎重に対峙しながら研究用消耗品を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)