2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of intersexual transplantation of uterine and ovaries
Project/Area Number |
18K09482
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
難波 祐三郎 岡山大学, 大学病院, 教授 (00335605)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 子宮移植 / 子宮卵巣移植 / 性同一性障害 / 異性間移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
移植技術や管理の進歩により近年子宮性不妊に対する治療として子宮移植の臨床応用の報告が複数なされてきており、同時に日本を含めた多くの国で子宮移植に関する研究が進められてきている。一方で子供を得るという願いは自認する性での生殖機能を持たない性同一性障害(GID)患者にとっても同様である。我々は将来的な子宮移植の一般化、更にその先に性同一性障害患者に対する生殖組織移植の実現化を見据えて動物実験によるモデル確立を目指して研究を行った。Female to Maleの性同一性障害患者では子宮卵巣摘出手術を行うことがあり、それら組織を応用することを踏まえて当初は子宮卵巣移植モデルの確立を目指してまずは手技の詳細な流れ、問題点を確立するところから開始した。雌ラットそのものが雄ラットよりも体格が小さく血管吻合やドナー組織採取に難渋、子宮動静脈・卵巣動静脈を全て移植組織として吻合することも手技的には手術時間を非常に要するため、血管吻合を必要最小限にすべく、ドナー側・対側の子宮動静脈、卵巣動静脈のみで血流確保した場合の血流状況を短時間・長時間で評価、結果として子宮・卵巣への血流確保の観点から片側の子宮動静脈及び片側子宮のみを挙上して卵巣を含めずに子宮移植を行い研究を進めることとした。実験場所確保の観点からラット1匹で実施可能な自家組織移植での血流評価を、評価法を検討しつつ、手技の確立に努めた。しかし、自家組織のみでの子宮移植の長期(数日~1週間後)確認時で安定した血流を確保可能な確立が低く、異性であり腹腔内の構造が異なる雄ラットへの安定した組織移植そのものが非常に難しいと考えられた。最終的に良好な結果を出すに至らず研究を終了している。
|