2018 Fiscal Year Research-status Report
超高速度MRI動画を利用した構音障害診断法の開発と臨床応用
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18K09761
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小池 紗里奈 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70732535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島崎 一夫 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (10420259)
誉田 栄一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (30192321)
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MRI / 開咬 / 金属アーチファクト / 構音 |
Outline of Annual Research Achievements |
聞き手にとって、「正しくない(異常)」と聞こえ、丁寧に話をしても正しい発音にはならない機能性構音障害には、咬合や歯列の不正が大きく関与している。前歯部開咬は不正咬合の一つであり、正常咬合者と比べて歯茎摩擦音や歯茎破裂音の発音が困難であることが知れている。 機器の性能の向上や計測方法の開発により、MRIを用いて被曝することなく構音状態を動画にて観察することが可能となった。この方法を用いて開咬患者の構音状態、および歯科矯正治療の治療前後の構音状態の相違を評価することとした。 本年度は、プラスチック製のマウスピースに金属ワイヤーによる犬歯間保定装置、金属を含むマルチブラケット装置をそれぞれ組み込んだ装置を装着した状態でMRI画像撮影を行い、そのアーチファクトの影響について検討を行った。その結果、いずれの装置を装着した状態でもアーチファクトが観察された。また、そのアーチファクトの範囲は金属ワイヤーによる犬歯間保定装置をつけた状態では前歯部や口唇に限局し、金属を含むマルチブラケット装置を装着した状態での方が範囲が広く、口腔領域全体に及んでいた。装着している装置によって観察可能な範囲が異なり、観察する目的の部位によって装着している装置に留意する必要があることが示唆された。 さらに、開咬による構音様式への影響を検討するため、正常咬合者の発音状態をMRI撮像をし、動画作成をすることを開始した。今後は開咬患者でもMRI撮像を開始することとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた通りに歯科矯正装置によるアーチファクトの影響の分析を行うことができ、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
歯科矯正装置によるアーチファクトの影響の分析が終了し、正常咬合者でのMRI撮像を開始することができ、概ね予定通りに結果を導いてきた。 次年度は正常咬合者のみならず、開咬患者でもMRI撮像を順次行っていく必要がある。 また、矯正治療終了時におけるMRI撮像についても検討している。
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Causes of Carryover |
今年度よりMRI撮像時に音声データも採取していく予定である。その機器およびソフトウェアの手配を昨年度ではなく今年度行う。
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