2018 Fiscal Year Research-status Report
小児の睡眠無呼吸時に変動する通気障害部位を検出可能にする気道流体解析モデルの構築
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18K09860
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30200645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 智憲 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10264433)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | OSAS / 流体シミュレーション / 原因部位 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児OSASの罹患率は2%前後で、睡眠障害に伴う眠気、体調不良、学業不振、成長障害だけでなく、重症例では高血圧、呼吸不全、心不全を認める。また気道閉塞による強い胸腔内陰圧で生じる陥没呼吸は医科的問題だけでなく、審美面で心理的にも影響の大きい漏斗胸の原因になることも示唆されている。この様に、小児OSASは全身発育への影響が大きいことも医科領域から多数報告されているにもかかわらず、社会的な認知度は極めて低い。さらに、治療では通気障害部位に応じた方法選択が重要であるが、上気道形態が複雑なため、従来の側面頭部エックス線規格写真やCT 、MRI、内視鏡等の画像診断では正確な原因部位の特定は困難である。このため、原因部位に応じた最適な治療方法が必ずしも選択されず、第一選択となるアデノイド切除・口蓋扁桃摘出術の治癒率は60%前後と低く、気道通気障害の飛躍的な改善につながる精度の高い障害部位特定診断法を開発し、汎用化すべきであると考える。そこで本研究は ① 生体に近い上気道立体モデルを構築するために、鼻腔流体シミュレーションの推定値を鼻腔通気度検査の抵抗値に近似調整する。② 覚醒時の咽頭気道モデルから体位の異なる睡眠無呼吸時の咽頭気道変形予測モデルを作製する。③ 筋弛緩、睡眠体位、呼吸に伴う気道変形を再現する流体構造連成解析法を確立する。④ 実際の治療部位ならびに終夜睡眠ポリグラフ(PSG)の改善状況と、① から ③ の過程で示された呼吸に伴い変化する動的通気障害部位を人工知能(AI)の活用で比較検討し、OSAS原因部位の的確な特定方法を確立する。⑤ OSAS治療における歯科的対応法の有効性に加え、医科領域への応用も可能な高精度モデルの構築と的確な治療選択基準を社会に発信する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題にデータの収集解析だけでなく、関連する論文がすでに4編acceptされている。そのため研究は順調に進捗している。 1)Rapid maxillary expansion effects of nasal airway in children with cleft lip and palate using computational fluid dynamics,OCR,in press. 2)Evaluation of the Effect of Oral-Appliance Treatment on Upper-Airway Ventilation Conditions in Obstructive Sleep Apnea using Computational Fluid Dynamics,CRANIO,in Press. 3)Relationships among tongue volume, hyoid position, airway volume, and maxillofacial form in pediatric patients with Class-I, Class-II, and Class-III malocclusions,OCR,in press. 4)Upper airway evaluation of children with unilateral cleft lip and palate using computational fluid dynamics,AJODO,in press.
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Strategy for Future Research Activity |
研究自体は順調に進んでいるので今後も継続する予定である。
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Causes of Carryover |
研究自体は順調に進んでいる。多忙のため、当初予定した学会発表の機会が得られず、次年度使用額が生じた。今年度はさらに研究を進め学会での発表に機会を得るようにする。
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Research Products
(5 results)