2019 Fiscal Year Research-status Report
労働生産性の向上を目的とした鍼治療プログラムの効果検証
Project/Area Number |
18K09982
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
宮崎 彰吾 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (40581971)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 陽一 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 講師 (60609626)
沢崎 健太 常葉大学, 健康プロデュース学部, 教授 (80387935)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | プレゼンティーイズム / 健康経営 / 鍼灸あん摩マッサージ指圧 / 産業保健 / 助成 |
Outline of Annual Research Achievements |
「休暇を取るほどでもないが、なんとなく調子が悪い、今一つ仕事がはかどらない」という労働者の状況(プレゼンティーイズム)が生産性を低下させ、企業に多額の損失を与えていることが2000年代に入ってから指摘され始めた。その原因のうち、多くの労働者が抱える様々な症状(例:肩こり、腰痛、等)による損失総額は、病気による欠勤や、治療費をはるかに上回っていることが判明した。 しかし、包括的かつ実効性のある対策は未だ提示されていないため、この研究課題に取り組む学術的重要性・妥当性は極めて高いと考えた。一方、鍼治療は、多くの労働者が抱える様々な症状(例:肩こり、腰痛、等)に有効であると示されていることから、包括的で、独創的な対策になり得る可能性が期待できる。 本研究では、こうした状況に対する包括的な産業衛生管理・健康経営の対策として、鍼治療の施術費用に対する助成が有用であることを4年間で検証し、国民の健康保持・増進に寄与することを明らかにしたい。 2年目の2019年度には、2018年度に実施した臨床試験の結果について雑誌論文に投稿し、掲載された。 また、公募した91名の調査参加者のうち、参加条件を満たした89名(累計141名)を、肩こりや腰痛など、なんらかの不健康な状態に対して各職場において励行されている通常の対策を任意で行う「対照群」、または、通常の対策を任意で行うことに加えて、指定した分担はり師が属する施術所にて観察期間中に施術を受けた際の領収書を観察期間後に提出することによって、最大8,000円まで助成(キャッシュバック)を受けることができる「介入群」、のいずれかに割付けて、4週間比較する臨床試験を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に実施した臨床試験の結果について、全日本鍼灸学会雑誌に論文を投稿し、2019年7月1日に受付され、2019年10月19日に受理された。 2019年5月25日より研究対象者の公募を開始して91名が参加協力に同意し、2020年2月22日までに89名分の解析データを得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度、2021年度で計72名の被験者を公募し、調査を実施する予定であったが、現時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響が収まる見通しが立たないことから、補助事業期間の延長も視野に入れつつ、状況に応じて適宜対応する。
|
Causes of Carryover |
前年度繰越122,306円、直接経費1,300,000円、間接経費譲渡額390,000円の計1,812,306円の所要額に対して、研究対象者数が88名から89名に2名増え712,000円(8,000円/人@89人)、鍼治療費用助成額が280,238円(上限8,000円/人@44人)、別刷30,140円、業務委託費(被験者募集)310,000円、間接経費譲渡額390,000円の計1,722,378円支出し、差89,928円の次年度使用額が生じた。次年度使用額については、被験者リクルートメント業務の委託料として使用する計画である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] 鍼治療を含む施術費用への助成はオフィスワーカーのプレゼンティーイズムに有用か 実用的多施設共同ランダム化比較試験による検証(中間解析)2019
Author(s)
宮崎彰吾, 皆川陽一, 沢崎健太, 飯村佳織, 脇英彰, 田原伊織, 吉田成仁, 赤岩忠孝, 佐保田満美, 田村憲彦, 藤岡隆司, 森野一巳
-
Journal Title
全日本鍼灸学会雑誌
Volume: 69(4)
Pages: 254-265
Peer Reviewed / Open Access
-
-