2022 Fiscal Year Annual Research Report
Chlorine dioxide against hospital-acquired pneumonia, tits prophylaxis effect and safety
Project/Area Number |
18K10012
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大日方 薫 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (10204281)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 二酸化塩素 / 院内感染予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
院内肺炎は、入院後48時間以降に発症した肺炎であり、感染経路として呼吸管理中に行われる気管吸引や吸入によるエアロゾル感染が問題となる。予防対策として閉鎖式吸引システムの使用、体位変換、人工呼吸器回路の交換などが行われている。病室の消毒、清掃などの環境整備に加え、空間浄化も重要である。従来、院内の空間浄化は換気、HEPAフィルター、陰圧室や陽圧室による微生物の拡散・流入防止が主に行われてきた。しかし、陰圧室設置には高額な費用がかかる。またHEPAフィルターは病原微生物を補集しても殺菌、不活化までは出来ない。物体の消毒としてアルコールはノロウイルスやアデノウイルスには効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムはトリハロメタン等の発ガン物質を生じる問題がある。 低濃度二酸化塩素ガスおよび水溶液は、院内肺炎の原因微生物のエアロゾル感染でも十分な効果を発揮すると考えられ、HEPAフィルターとの併用により、さらに高い感染予防効果が期待できる。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)でも問題となっているエアロゾル感染や空気感染に対しては、空調換気、遮蔽物によるエアロゾル飛散防止などの対策も必要である。SARS-CoV-2はプラスチックやステンレスの表面で2~3日間生存し、MRSAも環境中で長期間、生存するとされており、二次感染の予防も大事である。しかし、標準的な感染予防対策だけでは細菌やウイルスが環境中に残る可能性がある。さらに確実な感染対策として二酸化塩素ガスを用いた空間除菌・ウイルス除去を行うことにより、院内感染のリスクを減らすことが可能と考えられる。
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Research Products
(1 results)