2022 Fiscal Year Research-status Report
人工呼吸器患者の口腔ケア支援アプリケーションを用いた教育効果と口腔機能管理の向上
Project/Area Number |
18K10272
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田戸 朝美 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30452642)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山勢 博彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90279357)
山本 小奈実 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60574340)
佐伯 京子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60759687) [Withdrawn]
渡邊 裕 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (30297361)
須田 果穂 山口大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60883593)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 口腔ケア / 人工呼吸器患者 / 人工呼吸器関連肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人工呼吸器患者の合併症である人工呼吸器関連肺炎(Ventilator- Associated Pneumonia: VAP)と抜管時の誤嚥性肺炎を予防するタブレット型PCに搭載したアプリケーションによる支援ツール(口腔ケア支援アプリ)を開発し教育を行うことで、看護師の口腔ケア技術と口腔機能管理能力が向上するかを明らかにすることである。口腔ケア支援アプリは、口腔ケアの実施のみならず医療チームの活用を含め実践を支援し、挿管から抜管までの人工呼吸管理中の全期間継続的に口腔機能管理を看護師が行うことを支援するツールである。 本年度は、研究者が所属する施設の救命救急センターにおいて、気管挿管患者に対し、口腔ケアの汚染物除去の効果としてウェットシートとスポンジブラシによる回収効果の差を検討した。対象数は24名で、疾患は脳出血、外傷、PCASなどであった。スポンジブラシ群とシート群で細菌数の変化に有意な差は認めなかった。両群ともに口腔ケア後に細菌数の低下を認めた。シートの平均使用枚数は2.8±1.3枚で、拭き取り時間はシート群が有意に長かった。看護師の聞き取り調査の結果は、シートの方が使用しやすい、爽快感が得られそうだという意見があった反面、患者の噛みしめ等により効果的に口腔ケアを実施することができない可能性を感じ、スポンジと併用したいという意見があった。 以上のことから口腔ケア支援ツールとして、各方法のメリット・デメリットの理解を促進させ、技術を向上させる仕組み及び状況に応じたアセスメントが必要なことが分かった。本支援ツールに今後組み込んで行く予定である。WEB上のシステムとして口腔ケア支援システムを作成し、現在動作確認をしている。今後、対象施設での調査を開始する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は、口腔ケア支援システムを整え、効果検証研究を実施する計画であったが、口腔ケアウェットシートの効果検証に時間を要したことと、コロナ禍であり協力施設との調整に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、口腔ケア支援システムによる口腔ケア教育の効果検証研究を行う。視覚的教育教材の効果をふまえた口腔ケア教育を、口腔ケア支援システムを通して行う。口腔ケア支援システムを用いた効果を看護実践のなかから、看護師の口腔ケア技術と口腔機能管理能力の2方向から評価する。
|
Causes of Carryover |
口腔ケア支援システムを整え、効果検証を行う予定であったが、対象施設との調整に時間を要し目標数に達しなかったため、口腔ケアグッズや測定試薬などの未使用額が生じた。令和5年度の口腔ケア支援システムの管理費および口腔ケアに必要な物品費として使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)