2020 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病足病変予防のための看護師のアセスメント力を高める教育プログラムの開発
Project/Area Number |
18K10320
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
坂元 綾 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正隆 高知県立大学, 看護学部, 講師 (60405537)
池田 光徳 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70212785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 2型糖糖尿病 / 足病変 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、糖尿病足病変のリスクアセスメントに有効な足の状態の評価指標として、神経障害と末梢血管障害に関する客観的評価指標を明らかにし、それ を内包する糖尿病足病変予防のための看護師のアセスメント力を高める教育プログラムを開発することである。 本年度は、研究目標2に焦点を当てて研究を進めた。研究目標2は、糖尿病足病変予防のための神経障害と末梢血管障害の生理学的評価について、看護師による実施可能性と課題を明らかにし、アセスメントシートを作成することである。計画では20人の面接調査を予定していたが、新型コロナウイルス症の感染拡大に伴い変更を要し、7人で終了とした。看護師が外来で行ってる2型糖尿病患者の足アセスメントの内容と、外来看護で強化したいと感じている内容を明らかにすることを目的取り組んだ。糖尿病認定看護師・療養指導士7名に対し、半構成的面接調査を行い、質的帰納的分析を行った。分析の結果、2型糖尿病患者の足のアセスメント内容として、【既往歴からリスクを探る】【病態から合併症の進行度を見極める】【出現している症状の関係性を捉える】【無自覚の症状を聞き出し神経障害を評価する】【身体状態から足の皮膚損傷を見通す】【客観的指標から神経障害・血流障害を予測する】【生活から足病変誘発因子を捉える】【足への向かい方を把握する】が抽出された。看護師が外来で強化したいと感じている内容は、【正確に判断する手技の向上】【多様な視点を統合】【足の状況を見通す力】など7つが抽出された。看護師は、糖尿病の進行と合併症の発症時期を把握し、小さな病変も見逃さず身体や生活の状況から足のトラブルを予測することが重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ステップ3で看護師が行う糖尿病足病変予防のためのリスクアセスメントにおける課題と、神経障害・末梢血管障害の評価における課題について20人の看護師へのインタビューを予定していたが、新型コロナウイルス症の感染拡大によりインタビューが進まなかったことが挙げられる。 また、ステップ4で慢性疾患看護専門看護師や糖尿病認定看護師等20名を対象に測定方法を指導し、健常者を対象に実施してもらい、生理学的指標を用いた測定上の難しさや臨床での活用可能性への意見を得ることを計画していた。対象者を集めて指導、実施することが難しい状況が続き、計画変更が必要であったが滞っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ステップ4の、専門職者への生理学的指標を用いた測定上の難しさや臨床での活用可能性への意見を得ることは省略し、研究課題1で得られた結果と研究課題2のステップ3で得られた内容から、「糖尿病足病変予防のための神経障害・末梢血管障害アセスメントシート」を作成し、これを盛り込んだ、『糖尿病足病変予防のための看護師のアセスメント力を強化する教育プログラム(案)』を作成する。計画では専門職者にフォーカスグループインタビューを行い、教育プログラムの評価を得、その結果を基に教育プログラムの洗練化を行うことを予定していたが計画を変更し、個別に教育プログラムの評価を得ることし研究を進める。
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Causes of Carryover |
研究が計画通り進まなかったことから、予算が使用できず次年度使用する。
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