2019 Fiscal Year Research-status Report
ストレングス視点を取り入れたポピュレーションアプローチ型健康増進プログラムの開発
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18K10572
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡久 玲子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (80515619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 里織 神戸市看護大学, 健康生活看護学領域, 教授 (20321276)
多田 美由貴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (50732004)
松下 恭子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (10325293)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 健康増進プログラム / ストレングス / ポピュレーションアプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生活習慣変容過程における地域住民のもつ力(以下、ストレングス)の視点を取り入れた、ポピュレーションアプローチ型の健康増進プログラムを開発することである。初年度である平成30年度は、プログラムに用いる「ストレングスセルフチェックシート(案)」の作成と、一次予防におけるストレングスの概念の整理を行った。 2年目である令和元年度は、特定保健指導を担当している保健師・看護師に「ストレングスセルフチェックシート(案)」の項目を用いた個別保健指導をモデル的に実施してもらい、項目とストレングスに視点をあてた保健指導について妥当性の検証を行った。その結果、保健指導受診者と保健指導者双方がストレングスに焦点を当てた生活習慣の振り返りの場となり、個々のストレングスを活かした保健指導ができたという意見が聞かれた。また、特定保健指導開始前と開始後で、ストレングス得点が高くなった者の割合が多かった。 また、ストレングス概念を取り入れたポピュレーションアプローチ型の健康増進プログラムを実施するには、まず、プログラム参加者が、「ストレングス」の内容とストレングス視点を取り入れることの意義について、理解しておく必要がある。そこで、一次予防におけるストレングスの概念について、どのようにわかりやすく参加者に伝えることができるか、検討を重ねた。共同研究者間でのディスカッションに加え、生活習慣病予防に関する共同研究を続けているフィンランドの研究者との意見交換も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和元年度、所属分野の共同研究者1名が本学を異動し、さらにもう1名が産休・育休で不在となり、教育・社会貢献の担当が大幅に増えたことに伴い、研究実施体制が整わず、予定していたストレングスセルフチェックシートの完成とそれを用いたプログラム構築ができなかった。 しかし、プログラムに用いるツールである「ストレングスセルフチェックシート(案)」の項目の妥当性の検証ができたことと、プログラム参加者へのストレングスの説明に関する準備が進んだことは、令和2年度につながる成果と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、プログラムに用いるストレングスセルフチェックシートの完成と、それを用いたプログラム実施の計画・準備を行う。当初の研究計画では、徳島大学周辺地区の地域住民を対象に、ストレングスセルフチェックシートを用いた生活習慣病予防・健康増進を目的とする健康教育(6か月間で3回のコース)を開催予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度は最終年であるが、地域住民を対象とした健康教育は実施できないと考える。そこで、研究を1年延期(令和3年まで)とし、令和2年度は、健康教育(6か月間で3回のコース)実施に向けた具体的な実施マニュアルの作成、介入効果判定に用いる機器(体組成計、血圧計、自己血糖測定器など)とセルフモニタリングのための身体活動量計、健康管理ファイルの準備、対象者募集に向けた方策の具体的な検討などを行う。 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、住民を対象としたプログラム実施と評価を行い、ストレングスセルフチェックシートを用いた健康増進プログラムの構築を行う。同時に、自治体や機関、企業などにストレングスセルフチェックシートの設置、または、自治体で開催している健康教室での配布を行い、アンケートによりストレングスに視点をおいたポピュレーションアプローチについての評価を行う。
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Causes of Carryover |
令和元年度は、共同研究者の異動、産休・育休などにより、研究実施体制が整わなかったため、計画していた内容を進めることが出来なかった。また、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、地域住民を対象とした健康教育プログラムの実施は難しいと考える。 そこで、令和2年度は、ストレングスセルフチェックシートを用いた生活習慣病予防・健康増進を目的とする健康教育の実施に向けた具体的な実施マニュアルの作成、介入効果判定に用いる機器(体組成計、血圧計、自己血糖測定器など)とセルフモニタリングのための身体活動量計、健康管理ファイルの準備を行うため、それらの経費を計上する。
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