2020 Fiscal Year Research-status Report
小児片麻痺に対するCI療法の神経基盤と長期効果の解明
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18K10768
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
児玉 典彦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40278833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道免 和久 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50207685)
内山 侑紀 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50725992)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 実行可能性 / 安全性 / 上肢集中訓練 / 小児上肢麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、Constraint-induced movement therapy (CI療法) の実施が終了しているのは4名で、昨年度までに1名の1年後までのフォローアップを終了していた。今年度は残りの3名の1年後までのフォローアップを実施した。結果としては、CI療法の1ヶ月後、6ヶ月後、そして1年後のフォローアップを通して、概ね全症例で、CI療法後1年に渡り上肢麻痺の機能の評価であるFugl-Meyer AssessmentとJebsen Taylor Test of Hand Function Test、小児の麻痺手の生活での使用頻度の評価であるPediatric Motor Activity Log-Revisedにおいて改善を維持できていた。 これまでもCI療法は成人に対しては1年間の長期的な効果が報告されているが、これらの結果から片麻痺児に対しても長期的な上肢機能の改善をもたらす可能性があると考える。 片麻痺児に対するCI療法は本邦ではほとんど実施されておらず、実践報告は症例報告に留まっており、その内容も訓練前後の効果の報告のみである。そのため、本邦での片麻痺児にCI療法を提供する上で、実行可能性や安全性は検証されていない。これまで我々が片麻痺児に行なってきたCI療法では前例で目標とする訓練時間を達成することができている。今後も引き続き、対象者数を増やし、本邦でのCI療法の実行可能性、安全性を検証していくことは,エビデンスが蓄積されているCI療法を、本邦の片麻痺児に提供していくために重要な意義があると考える。リクルートは行なっているが、新型コロナウイルスの影響もあり新規の対象者には実施できていないのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
小児の症例を対象としており、夏休みなどの長期休暇での実施が必要なことと、新型コロナウイルスの影響で患者のリクルートに難渋しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在も新型コロナウイルスが流行している状態で、新規の対象者のリクルートは難渋することが予想される。その中でも、近隣の小児症例を対象としているリハビリテーション病院などへCI療法の情報提供を行い、リクルートを継続していく。
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Causes of Carryover |
今年度も新規の対象者がいなかったため消耗品などの必要物品の購入が予定していたよりも少なく、次年度使用額が発生した。また、学会などでの情報収集なども新型コロナウイルス流行のため開催されなかったことも理由である。今後は消耗品の購入や、学会発表や論文校正などに使用予定である。
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