2018 Fiscal Year Research-status Report
ジュニア期のトレーニング履歴はランニングエコノミーに影響するか?
Project/Area Number |
18K10914
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
吉岡 利貢 環太平洋大学, 体育学部, 准教授 (60508852)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ランニングエコノミー / 形態的特徴 / 周囲径 / 筋厚 / トレーニング環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、ジュニア期のトレーニング環境が日本人ランナーと異なるニュージーランド人ランナーのランニングフォームの特徴を明らかにするため、平成31年3月にニュージーランド国内で開催された各年齢カテゴリ(18歳未満、20歳未満、20歳以上)の1500mレースにおける450m、850m、1250m地点のランニングフォームを側方より高速度カメラで撮影し、接地時間、滞空時間、ストライド長、ストライド頻度および各局面における下肢関節角度の分析をおこなった。これらを年齢カテゴリ間で比較した結果、年齢が上がるにつれて、同等の速度における 1)接地時間が短くなること、2)接地時における大転子と両大腿部のなす角度(以下、シザース角度とする)が小さくなること、3)接地時における遊脚の膝関節角度が小さくなることなどが明らかとなった。今後、日本国内の同一カテゴリ、同等速度でのレースにおける日本人ランナーのランニングフォームを撮影し、その特徴を比較する予定である。 また、令和2年に実施予定の課題であったニュージーランド人ランナー(20歳未満)の大腿長、下腿長、大腿最大囲、下腿最大囲および筋厚の計測を3名に対して実施した。その結果、これまでに研究代表者が計測した同世代の日本人ランナーと比較して、中間広筋の筋厚が小さく、大腿直筋の筋厚が大きい傾向にあった。また、大腿長に対する下腿長の割合が高いことも明らかとなった。今後、ニュージーランド人ランナーの対象者を増やして検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、平成30年に実施予定であった「ジュニア期のトレーニング内容が筋・腱の形態に及ぼす影響」についての実験は、ボディラインスキャナの納入が遅れたこと、購入予定であった携帯型の超音波画像計測器の能力が目的に適わなかったことから、次年度に延期した。一方、当初予定していなかったニュージーランドランナーのランニングフォームの分析に着手、また、平成32年度に実施予定であったニュージーランド人ランナーの形態計測を3名実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、昨年3月に撮影した映像の分析を行うとともに、研究課題Iの「ジュニア期のトレーニング内容が筋・腱の形態に及ぼす影響」についての実験を開始している。夏以降に、研究課題IIの「ジュニア期のトレーニング内容が筋・腱の機能および走動作に及ぼす影響」についての実験にも着手する予定である。また、来年の3月には、課題IIIの「ジュニア期のトレーニング環境が筋・腱の機能および走動作に及ぼす影響」について明らかにするために、ニュージーランド人ランナーの測定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
前年度の3月に、撮影および測定のための海外出張をおこなったが、その精算が次年度に及んだため。また、前年度に購入予定であった機器を次年度に購入する必要が生じたため。
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