2020 Fiscal Year Research-status Report
クエン酸の疲労軽減効果の客観的評価とGADD34に着目した分子メカニズムの検証
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18K11030
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
渡辺 睦行 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (90365809)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クエン酸 / 疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
クエン酸は「疲労感を軽減する」機能性表示食品として市場に出回っている。しかし、これらの効果は主観的評価やグリコーゲンや乳酸などの一部の物質の変化によってのみ報告されており、客観的な評価法は確立されていない。また、クエン酸には疲労軽減効果はないとする報告もみられる。そこで、本研究では、クエン酸には本当に疲労軽減効果があるのかを客観的に評価すると共に、そのメカニズムを検証した。 本年度は、疲労回復評価モデル(遊泳により疲労困憊状態としたマウスにクエン酸を摂取させた後、経時的に疲労のメカニズムに関連する分子のmRNA発現量を肝臓及び骨格筋で測定)を用いて、クエン酸投与の効果を検証した。 その結果、肝臓では、蒸留水のみを投与したマウスでは、疲労困憊30分後、60分後にインターロイキン-1β(IL-1β)の発現量が有意に上昇したが、クエン酸を投与したマウスでは、有意な上昇はみられなかった。一方で、筋肉では、クエン酸投与の影響は見られなかった。また血液中においては、IL-1βの濃度が、遊泳直後に有意に上昇したが、遊泳30分、60分後には著しく低下し、クエン酸投与の影響はみられなかった。 以上より、クエン酸は、激しい運動後に生じる肝臓での炎症を抑制する可能性、さらには、疲労感を抑制する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大により、4月から9月まで大学入構が制限されていたため、研究が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋での、ATF3および、GADD34のmRNA発現量を測定する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により大学への入構が制限されていた時期があったため、研究の進捗が遅れました。次年度使用額は、リアルタイムPCRの消耗品に使用予定です。
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