2020 Fiscal Year Research-status Report
Creating healthy habits program to alleviate premenstrual symptoms
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18K11086
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
松本 珠希 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (90248047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 達也 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (00314211)
江川 美保 京都大学, 医学研究科, 助教 (50600061)
木村 哲也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60533528)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 月経周期 / 月経前症候群 / セルフモニタリング / 行動変容 / 健康習慣形成 / 睡眠 / 疫学調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者らの一連の回顧的・前向き疫学調査から、程度の差こそあれ、85%以上の性成熟期女性が、月経前に心身違和感(月経前症候群:PMS)を経験することが明らかとなった。また、主観的不健康感とストレス感の増加および朝食欠食は、PMSの増悪因子となることも示唆された。朝食摂取を含む食習慣に加え、睡眠もまた女性の心身の健康維持には重要で、生活習慣の乱れは、種々の不定愁訴の発症に関与する。最適睡眠時間を明確に定義することは難しいが、睡眠時間数、起床・就寝時間は、月経周期に伴う不快症状にどの程度影響を与えるのだろうか。 22名の女子大学生を対象に、二月経周期間に亘る前向き観察調査を実施した。被験者には、卵胞期(Day 5-11)と黄体後期(月経前7日間)に各1日、総計4回、実験室に来室してもらった。実験当日、起床時の基礎体温の測定、早朝第一尿の採取をお願いした。実験室では、身長・体重の測定後、46項目から構成されるMenstrual Distress Questionnaire(MDQ)に回答してもらい、月経周期に伴う身体的・心理的・社会的症状レベルを評価した。加えて、前日の就寝時間、当日の起床時間についても調査し、睡眠時間数を算出した。 月経周期に伴う不快症状に関連する要因を探索するため、MDQ総計を従属変数とし、重回帰分析を行ったところ、5%水準で有意な独立変数は、年齢、月経周期、月経規則性、睡眠時間数であった。多くの性成熟期女性が経験するように、本研究においても、月経周期に伴う不快症状は黄体後期に増加した。月経規則性に関連する背景と最適な睡眠の量と質については、心理・神経・内分泌的な観点からも詳細に探究する必要はあるが、今回の前向き観察研究からは、正常月経周期の逸脱と6時間未満の睡眠が月経周期に伴う不快症状増加の危険因子になりうる可能性が併せて示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
月経周期の規則性、月経周期に伴う不快症状の種類と程度、生活習慣との関連について、前向き観察研究を実施、データの収集と解析を行った。加えて、スマートフォン・アプリ(DRSP-JAPANプラス)を導入し、eHealth Project for Womenを開始した。現在、自律神経活動動態とPMSを形成する個々の症状との関連の検討、PMSを緩和する健康習慣形成プログラムの構築に取り組んでいるが、コロナ禍とも相俟って、予想以上の時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
PMSを緩和する健康習慣形成プログラムの実施については、今年度に引き続き、紙ベースの調査用紙とスマートフォンアプリを用いた前向き調査を行う予定だが、その実現に向けては、組織的な取り組みが必要となるため、共同研究者間の連絡体制を整えるとともに、必要であれば、マンパワーも確保する。また、一連の研究プロジェクトで得られた成果については、常に共同研究者間で共有・討議し、国際学術会議および国際学術誌にて、速やかな公表を目指す。
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Causes of Carryover |
国際婦人科内分泌学会にて研究発表を行うとともに、PMSと行動変容関連の最新情報を収集する予定にしていたが、新型コロナウィルス感染症流行拡大の影響で、オンラインによる学会開催となったため、確保していた海外出張旅費を次年度に繰り越すこととなった。 令和3年度は、令和2年度繰り越し分と合わせた直接経費を、出張旅費、国際学術誌への投稿料、被験者と研究補助者への謝礼金、外部委託の内分泌機能検査費、必要な物品購入のために使用する。
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Research Products
(4 results)