2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of peripheral sensory stimuli on prefrontal cortex activity during walking movements
Project/Area Number |
18K11140
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
尾方 寿好 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (80415364)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 他動運動 / 酸素化動態 / 前頭前野 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、下肢に外力を与えて、意志とは無関係に通常の歩行運動と同様の動作(他動歩行)を課すことにより、運動指令の影響を排除し、歩行動作に伴う感覚刺激による求心性情報(四肢から脳へ伝えられる情報)が前頭前野の活動性に与える影響を解明することを目的とする。前頭前野の活動性は,近赤外線分光法装置で測定される酸素化ヘモグロビン濃度 (oxyHb)から評価した。他動歩行は,立位姿勢または仰臥位姿勢で実施した。仰臥位姿勢での他動歩行では次の4種類の試技を実施した。1つ目の試技は,股関節の屈曲・伸展動作である。2つ目の試技は,1つ目の試技と同様であるが,伸展方向に脚が動かされている間に足底に圧力を加える。3つ目の試技は,1つ目の試技に肩関節の屈曲・伸展動作を加えたものである。4つ目の試技は,3つ目の試技と同様であるが,脚が伸展方向に動かされている間に足底に圧力を加える。これまでに,立位姿勢での他動歩行中のoxyHbレベルは,静止立位時のレベルを維持することを明らかにしている。最終年度は,9名の若年男子を対象に上記4種類の試技におけるoxyHb動態を比較した。それぞれの試技のテンポは40歩/分,動作時間は1分間とした。反復測定分散分析を行ったの結果,4つの試技のoxyHb動態に交互作用は認められなかったものの,時間に対する主効果が認められた。すなわち,動作前と比較して動作中にはoxyHbが低下する傾向が見られた。しかしながら,多重比較検定では動作開始前と比較して動作中の有意な低下は認められなかった。以上のように,仰臥位姿勢では通常の歩行に近くなるように感覚刺激を与えても,前頭前野のoxyHb動態には大きな差異が生じなかった。また,立位および仰臥位姿勢の他動歩行に共通して,動作中に前頭前野のoxyHb動態が顕著に低下することが観察されなかった。
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