2018 Fiscal Year Research-status Report
積層チップ間の故障テスト用信号生成・供給回路設計手法の開発
Project/Area Number |
18K11218
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
四柳 浩之 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (90304550)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ディペンダブルコンピューティング / VLSIのテスト技術 / VLSIの検査容易化設計 / 故障検出 / 3次元積層IC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ICチップ積層時のチップ間接続における信号遷移に異常が現れる故障および劣化の検出を行い,かつ,各チップのテスト用信号の供給に関して,チップ間接続で起こる遅延の差異を考慮する制御信号生成・供給回路の設計手法の開発を目的としている。平成30年度は,主に遅延故障検査容易化回路・制御信号供給回路における特性ばらつきの補正の検討および検査対象への信号供給回路の検討として,次の3項目の研究を行った。1.遅延付加部に用いる遅延付加ゲートとして内部構造の異なる2種の設計を行い,シミュレーションおよび実測により評価を行った。遅延付加ゲート内部のXORゲートで立上り遅延と立下り遅延に違いがあると観測信号が消滅するなどの問題がある。また,信号選択回路の設計を行うことで従来の遅延付加部より約18%省面積化することができた。2.遅延付加部の遅延量のばらつきとその測定時の補正方法について検討を行った。各遅延付加ゲートの遅延量について試作ICにおいて遷移信号の測定対象経路を複数設けることで,測定箇所による遅延量の差異を調査した。制御信号の印加法の改良により,従来設計を変更することなく,任意の遅延付加ゲートを起点とする信号遷移の測定が可能となった。また,単一の付加遅延量による概算ではなく,複数箇所の付加遅延量を用いて遷移信号の遅延量を計算することで,遅延故障検査に用いるタイミング余裕の測定における遅延付加部のばらつきの補正が可能となった。3.検査容易化回路における遅延付加部の分割などの回路構成の改良を行った。遅延故障検査対象回路への信号供給に関して,検査時間の短縮を行うために,シリコン貫通ビアへの信号供給に用いる遅延付加部と遅延量観測に用いる遅延付加部を分割した。遅延付加部のゲート段数を削減することで,検査時間の短縮が可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的として挙げた各項目に関して,いずれもおおむね順調に進展していると考えている。「遅延故障検査容易化回路・制御信号供給回路における特性ばらつきの補正の検討」に関しては,これまでに設計した遅延付加・観測回路における遅延ばらつきの測定を行い,遅延量測定の基準となる遅延付加ゲートの遅延量測定を複数箇所で行うための制御信号の印加手順を開発し,遅延ばらつきを補正する手法を提案した。「テスト用の制御信号タイミングを考慮する制御信号生成・供給回路の設計」「センサ回路とロジック回路の積層テストへの提案回路の応用・改良」に関しては,クロック信号生成回路を用いる遅延観測回路についての設計およびシミュレーションによる検討を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,「遅延故障検査容易化回路・制御信号供給回路における特性ばらつきの補正の検討」に関しては,引き続き遅延ばらつきの補正を行うための複数箇所での遅延測定について,最適な測定箇所の推定や新たな補正手法についての検討を行う予定である。「テスト用の制御信号タイミングを考慮する制御信号生成・供給回路の設計」に関しては,IC内部のクロック生成回路と積層チップ間の遷移信号の供給に関して検討を進める予定である。「センサ回路とロジック回路の積層テストへの提案回路の応用・改良」に関しては,他の遅延観測回路の積層チップ間検査への適用について評価・検討を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
理由:今年度研究費について,IC試作および測定実験を当初予定額よりも安価に実施することができたため未使用額が生じた。 使用計画:試作ICの測定に関する物品費として使用する予定である。
|
Research Products
(7 results)