2019 Fiscal Year Research-status Report
遠赤外線画像を用いた呼吸流速および呼吸流量の非接触計測
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18K11401
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
塙 大 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (50422506)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遠赤外線画像 / 呼吸 / 非接触計測 / 流量 / 流速 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度の検討結果を基に,ヒトの鼻呼吸における流速を遠赤外線画像を用いて非接触かつ定量的に計測する方法の実現に向けた基礎検討を行った. 具体的にはまず,遠赤外線カメラより撮影される顔面熱画像上の鼻腔内壁の表面温度と,鼻腔より吸入・排出される気流の温度との関連性を分析するための被験者実験を行った.実験では,椅子に安座した被験者に対して,呼吸の仕方を変えたタスクを5パターン(通常呼吸,強い呼気・通常吸気,弱い呼気・通常吸気,通常呼気・強い吸気,通常呼気・弱い呼気)用意し,各タスクにおける鼻腔内の気温,および,顔面熱画像より取得した鼻腔領域の平均温度を同時に計測し,比較を行った.その結果,鼻腔内の気温を鼻腔領域の平均温度を用いて比較的良好な精度で推定できることを確認した. 次に,鼻呼吸中の呼気および吸気の流速と,鼻腔内の気温の変化速度との関連性を分析するための被験者実験を行った.具体的には,前述の実験と同様に5パターンのタスクを用意し,鼻呼吸中の流速,および,鼻腔内の気温を同時に計測し,比較を行った.その結果,鼻呼吸中の流速を鼻腔内の気温を用いて比較的良好な精度で推定できることを確認した. 最後に,上記2種類の実験結果に基いて,鼻腔領域の平均温度から鼻呼吸中の流速を推定する手法の考案を行った. 以上の結果より,遠赤外線画像を用いることで,鼻呼吸の流速を非接触かつ実時間で推定できる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に行った検討結果より,鼻呼吸の流速を非接触かつ実時間で推定する手法の実現可能性が確認できた.しかしながら,本年度末ごろに実施を予定していた被験者実験が,コロナウィルス感染症の拡大防止に伴い中止せざるをえず,考案した推定手法の有効性などを十分に評価できなかった.以上より,本課題の進捗状況は総合的に判断して,やや遅れていると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
被験者実験の実施が可能になり次第,評価実験を行い,考案した推定手法の評価を行う.良好な推定精度が得られれば,流量の推定手法の実現に向けた検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の拡大防止に伴い,参加予定だった年度末の学会が開催中止となったため,参加を取りやめざるをえなかった.さらに,年度末に実施を予定していた被験者実験もすべて中止せざるをえなかった.これらの理由により,学会出張のための旅費,被験者実験の実施に伴う謝金等を予定通り執行できなかったため,次年度使用額が生じた. 次年度使用額は,評価実験の実施に必要な機器の購入,実験補助および被験者への謝金,ならびに研究成果の発表に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)