2018 Fiscal Year Research-status Report
圧縮センシング・スパースモデルを用いたBCIによるマルチコプターの飛行制御
Project/Area Number |
18K11413
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
伊藤 利明 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60201927)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 東生 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70202075)
浅井 信吉 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (80325969)
松島 正知 同志社大学, 生命医科学部, 助教 (30755640)
奥山 祐市 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (90404897)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | BCI / 飛行制御 / マルチコプター |
Outline of Annual Research Achievements |
脳波制御のため,基本的な脳波発生メカニズムを理論的な背景からの基礎研究とし,従来の神経細胞の電気信号発生の数学モデル,脳内の神経細胞のネットワーク的視点からのコネクトームとの関係を述べた基礎研究について調べた.その結果,巨大な数の神経細胞の共同現象として発生する脳波の頭蓋表皮での電気信号モデルの数値解法について色々な問題点があることを発見し学会で報告した.ドローン制御装置(コントローラ)に関する色々な機械的インターフェイスとそれに伴うソフトウエアの,現在での可能な導入技術を調べた.種々の航空法に触れない小型のマルチコプター(ドローン)の制御可能性が獲得でき今後の研究に結び付ける基礎知識と技術を得た. ドローンの基本制御技術を低電力かつ高精度に実行するため,FPGAを用いた飛行制御の実装に着手し,(1)SBUS規格で送信される制御情報の取得,(2)ジャイロ・地磁気センサからの情報の取得,(3) (1),(2)を用いてモーター出力を決定する、効率の良いPID回路,(4)(2)を補完するための、画像に写る水平線を用いて機体の絶対角を求める回路 の実装を行った.また,(5) 脳波で制御するドローンの安全性を担保するため,ドローンの位置情報を取得し,安全圏内から逸脱した際に自動的にドローンを着陸するためのシステムを開発,(6) 脳波を用いて遠隔から意志決定をするための基本システムとして、車両を用いたプロトタイプの作成を行った. 事前準備とし会津大学での研究会合・情報交換会を行い,続いて第2回脳波制御ドローン競技会を会津大学で開催した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳波制御のため,基本的な脳波発生メカニズムを理論的な背景からの基礎研究を行い,脳波の頭蓋表皮での電気信号モデルの数値解法について色々な知見が得られた.ドローン制御装置に関する既存の色々な技術を調べた.種々の航空法に触れない小型のマルチコプター(ドローン)の制御可能性の知識と技術が獲得・蓄積でき,今後の研究に結び付けることができる. 年度の初めに会津大学での研究会合・情報交換会を行った.また第2回脳波制御ドローン競技会を会津大学で開催した.参加大学は同志社大学,筑波大学,会津大学で本研究グループに加え,学生の参加があった.この競技会はあいにくの台風で,競技会の日程が短縮されたが,後半の研究発表では活発な研究発表と討論が行われた.
|
Strategy for Future Research Activity |
1.脳波の詩論的な数理モデルのコネクトームと結びつけた協調系のシミュレーションに役立つ数値解法の研究開発を行う.またこの基礎理論を背景に,脳波データを効果的な制御信号として取り出すための基礎的な計測法と効果的なデータ処理法のソフト面からの開発を続けて行う. 2.脳波による制御に適した飛行制御機能を備えたドローンのハード的側面からの開発を続ける.より自立性のある脳波制御に適したシステムの考案と実装実験を続ける. 3.脳波制御が人の思考や実際の運動指定とどのような関係になっているかを,脳波データ分析により明確にする. 4.脳波制御は個人個々の脳波に大きく依存するため,個人個々の脳波の特徴を効率よく学習し応用できるシステムの開発が望まれる.従い今後は機械学習などの技術も取り入れ脳波分析の手法の開発も推進する. 4.第3回脳波制御ドローン競技会を関西地区(京都府内)で開催し,研究交流を進めまた,地域の中高学校などにも参加を促し科学技術の紹介啓蒙活動,普及と推進を推進し科学技術振興会からの研究資金の社会への還元を行う.
|
Causes of Carryover |
航空法に触れない小型のドローンを用いての開発に徐々に移行できるよう,ドローンとその周辺機器の交換・買い替えが必要になってきており,この購入費が必要である.またEEGのデータ測定には,測定ソフトウエアのレンタル維持費が必要となる.第3回脳波制御ドローン競技会を2019年度に関西地区で行う予定である.開催には多くの研究者に参加を呼びかける予定であり,そのためのWEBによる情報公開が必要であり,そのためのレンタル・サーバー利用費や,会場運営費・大会参加旅費などが必要になる.
|
Research Products
(5 results)