2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒューマンコンピュテーションと計算創薬の融合的実装による創薬計算科学の深化
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18K11523
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 一樹 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (90758301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 雅史 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (50743209)
森脇 由隆 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70751303)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 創薬計算科学 / ソーシャルネットワーキングサービス / 分子構造 / 可視化 / バーチャルスクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
計算機による創薬の効率化技術は,対象としては分子量500程度までの低分子および介入可能なポケット部位のある創薬標的については実用域に達しているものの,それらを逸脱した対象の取り扱いに関しては化合物空間の網羅性,活性予測精度の両面において技術が未開拓である.本研究は,機械的な探索だけでは効率的に網羅し難い創薬探索空間を,人智を活用したヒューマンコンピュテーション(HC)技術と計算創薬との融合的実装によって開拓することを目的とする.即ち,新規化合物構造を人智から創出・収集し,かつ人間の認知能力を加味したタンパク質-化合物間結合様式予測を可能とするオンライン創薬知プラットフォームを社会実装することによって,現在の計算創薬の限界の打破を目指す. 本年度は,上記プラットフォーム開発の端緒として,まずは既存のSNS上に化学構造式を投稿・2D描画できる機能および生体高分子を立体表示できる機能を実装し,誰でも容易に分子構造をSNS上で直接取り扱える環境を提供した. 加えて,実際にSNS上のユーザーに創薬スクリーニングを経験してもらうためのイベントとして,創薬標的とスクリーニング化合物ライブラリを提示して参加者がそこから選別した薬剤候補化合物を我々運営側がアッセイ(薬剤活性確認実験)し,ヒット化合物の取得を目指す試みを実施中である.今回のテーマとしては,困難とされるタンパク質-タンパク質間相互作用(PPI)阻害剤探索の打開を期して,PD-1/PD-L1免疫チェックポイントを標的として設定している.次年度前半にアッセイを実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における開発要件である,オンライン創薬知プラットフォームの社会実装のため,本年度はSNS上で容易に分子構造を取り扱える機能の実装を行い,人智に基づく化学構造式収集機能を提供することができた.また,人智を活用する上で必須となるユーザー集団の確保についても,創薬イベント実施などSNS上での活動を通してユーザー拡大を図れている.
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Strategy for Future Research Activity |
より幅広い化合物空間を人智に基づいて探索しやすくするため,ウェブ上で分子構造を取り扱うユーザーインターフェースを改善する.また,計算創薬とヒューマンコンピュテーションの連携を促すため,タンパク質と化合物の結合様式予測をインタラクティブに行えるような機能追加を図る.
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Causes of Carryover |
従量課金制のクラウド計算環境を利用したが、今年度の計算規模が予定より若干小さくなり次年度使用額が生じた。引き続き計算機利用費として次年度に計上する。
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Research Products
(5 results)