2018 Fiscal Year Research-status Report
精密試料採取手法に基づく北極海の海氷域における硫黄循環像の解明
Project/Area Number |
18K11612
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀山 宗彦 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70510543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 恒二 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80277871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 硫黄循環 / 硫化ジメチル / 海氷 / 北極海 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は研究実施計画に記載したCTDセンサーを購入し、性能を評価するために韓国極地研究所(KOPRI)の砕氷船Araonによる北極海航海に参加し、運用のテストを行った。当初の予定では発電機やチューブポンプをつなぎ固定台につなげた伸縮性アームを用いる予定であったが、研究費の申請額からの大幅な削減によりこれらの物品の購入ができなかったため、CTDセンサーに採水チューブを添わせて下ろす方法へと変更を行った。CTDセンサーの水深の解像度は、応答まで十分な時間をかける必要があるものの、10センチ程度であり、本研究の目的を達成するには十分な精度を持っていることを確認した。しかしながら、1つのチューブでは試料水の鉛直方向の採水は難しく(CTDを上下する際の試料水の鉛直方向の混合の影響が考えられるため)、水深がわかる複数の試料水取り込み口をもつアームを作る必要があることがわかった。 2019年度はこの鉛直方向の高頻度な試料採取方法を開発を最低限の目標とする。開発した高頻度採取方法と既存のマイクロレイヤー採取装置を共に冬季に凍結する湖で予備実験を行う予定である。また、採取されたCTDデータ及び試料水の分析を行い、高頻度採取方法の妥当性を評価し、問題点がある場合は年度内に解決するように努める。 また、同時に現在測定可能な硫化ジメチル(DMS)、ジメチルスルホニオプロピオネート(DMSP)に加えメタンチオール(MeSH)およびジメチルスルホキシド(DMSO)の測定もできるようにガスクロマトグラフ装置の改良も行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主に研究費の大幅な削減があったため、当初予定の精密試料採取手法を作成できなかった。そのかわりに自身のアイディアを使って作成したものを実際の北極海航海で使用することでこの問題を解決しているが、当初の進捗予想よりも遅れていることは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は試料水を細かく採取できる取り込み口を複数持つアームの作成を行う。そして、マイクロレイヤーの試料採取装置と共に凍結湖でのテスト運用を行い、その正当性を評価する。2020年にKOPRIのAraonの北極海航海に参加し、実際の海氷域周辺の水環境における硫黄化合物を測定し、硫黄循環像の解明を試みる。
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Research Products
(4 results)