2020 Fiscal Year Research-status Report
精密試料採取手法に基づく北極海の海氷域における硫黄循環像の解明
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18K11612
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀山 宗彦 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70510543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 恒二 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80277871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 硫黄循環 / 硫化ジメチル / 海氷 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界的な新型コロナウイルスの蔓延により、2020年度は計画されていた研究をほとんど進めることが出来なかった。2020年度に予定されていた韓国極地研究所Araonによる北極海航海は期間の大幅な縮小に伴い、乗船研究者が韓国内の研究者に制限されたため、乗船を伴う観測をすることが出来なかった。本航海への参加は北極海の海氷域の研究を行うために必須であり、2019年度から入念に乗船の調整を行っていたにもかかわらず実現することが出来なかった。 研究期間を1年延長することで2021年度の乗船に向けた調整も行ったが、韓国への入国後2週間の隔離、2カ月以上の無寄港の航海、前後の積み込み積み下ろしも同様な隔離が必要であることを鑑みると、6月から10月頃まで拘束される形となるため、残念ながら2020年度と同様に2021年度のAraonによる観測への参加は現実的ではないことが分かった。そのため、1年研究期間を延長しても本研究期間中に北極海における観測は難しく、大幅な計画の変更を検討せざるを得ない状況となった。 そこで、本計画研究でも北極海の海氷環境を模擬できる場として北海道のサロマ湖において本計画研究を遂行することとした。最終年度2021年度の結氷期に本格的な観測を行うために、2021年2月―3月に行われたサロマ湖の統合的な観測に参加し、現地での観測の方法や注意点を把握し、また観測で利用できる施設に関する情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究で計画していた韓国極地研究所Araonによる研究航海に参加することができず、北極海での観測を断念せざるを得なかった。北極海での観測を断念しサロマ湖での観測に変更するため1年の研究期間の延長を行った。そのため、本研究課題は遅れているとせざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
北極海での観測は断念せざるを得ないため研究計画を変更し、2021年度の冬期、サロマ湖が結氷した際に氷上での観測を行う。サロマ湖での観測は2021年2月―3月に行った事前調査において要領を得ることができたため、観測を遂行することが出来ると考えている。観測に向けて分担者の浜崎が所有するマイクロレイヤーサンプラーの調整や試料採取の計画を十分に議論し観測を行う。
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Causes of Carryover |
2020年に行われる予定だった北極海航海に参加することができなくなり、海外への荷物の輸送費等がなくなった。また、研究計画の大幅な変更によって2020年度では研究を完結することができず2021年度まで1年間期間を延長せざるを得なかったため。
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