2021 Fiscal Year Research-status Report
精密試料採取手法に基づく北極海の海氷域における硫黄循環像の解明
Project/Area Number |
18K11612
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀山 宗彦 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70510543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 恒二 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80277871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 硫黄循環 / 硫化ジメチル / 海氷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、本来北極海での観測において海氷環境で行われる予定であったが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、予定していた韓国極地研究所のアラオン号による北極海航海に参加の見通しが立たなくなった。アラオン号での観測が可能となるまで本研究費を延長する可能性も検討したが、今後状況が早急に改善される可能性が低いと判断し、本研究は北極海の海氷環境に近しい環境である北海道サロマ湖において同様の観測をおこなうこととした。2021年2月から3月にかけて行われた予備観測の結果を受け、2021年度は2022年2月から3月にかけてサロマ湖において約1週間の観測をおこない、海氷、海氷下海水を鉛直方向に密に採取した。試料は海氷を鉛直方向に4層に切断して採取し、海氷下海水はバンドン採水器を用いて低塩分層、移行層、高塩分層の3層で採取した。これらの試料のうち、溶存硫化ジメチル濃度はサロマ湖湖畔のネイパル北見の実験スペースにおいてガスクロマトグラフを用いて分析を行った。他の試料は硫化ジメチルの前駆体であるジメチルスフォニオプロピオネート(DMSP)、DMSP分解酵素の遺伝子発現の分析のため、ネイパル北見で試料の前処理を行った。未測定の試料は2022年度ので測定する予定である。また、サロマ湖での観測では東海大学の野坂博士も共同で観測をおこない、クロロフィル濃度、バクテリア計数、透明細胞外重合物質粒子(TEP)のデータについて提供をしていただく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は本来北極海の海氷環境下で行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症蔓延のため、予定していた研究航海に参加することが出来なくなった。そのため、北海道サロマ湖での観測を代替策とした。そのため、本来の研究計画よりもやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は2022年度を最終年度とする。これまで北極海航海の相次ぐキャンセルによって北極海航海への参加を断念した。2020年度から方針を変更し、サロマ湖での湖氷観測を代替案とし、2021年度に観測をおこなった。2022年度は採取した試料の分析及びデータの解析をおこない、本研究のまとめの年とする。
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Causes of Carryover |
2022年2月から3月にかけてサロマ湖での観測において採取した試料を分析するための消耗品等の購入に必要となるため、次年度使用額を確保する必要があった。
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