2018 Fiscal Year Research-status Report
気候変動による脆弱性と効果修飾因子の相互作用に関する大規模疫学研究
Project/Area Number |
18K11666
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野塚 大介 九州大学, 医学研究院, 助教 (50446829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 明人 九州大学, 医学研究院, 教授 (50291521) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 気候変動 / 脆弱性 / 効果修飾 / 相互作用 / 環境疫学 / 感染症 / 救急搬送 / 病院外心肺停止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本全国47都道府県のインフルエンザ患者1,851万人、感染性胃腸炎患者1,598万人、救急搬送患者3,552万人、病院外心肺停止患者約118万人を対象とし、気候変動による脆弱性が、地域や個人の効果修飾因子によってどのように異なるかについて、環境疫学的手法と社会疫学的手法を融合して解明することを目的とする。本研究により、効果修飾因子による気候変動への脆弱性の違いを全国規模で定量的に推定することが可能となり、地域や個人の特性に応じた気候変動-疾患発症予測モデルの構築、早期警報システムへの応用、疾病予防管理プログラムの改善、医療機関における医療従事者の確保や設備整備等、日本における気候変動適応策を進める上で重要な意義があると考えられる。 研究開始の初年度であった平成30年度については、(1)文献レビューによる先行知見の整理、(2)研究デザイン、解析方法、アウトカム等の具体的な検討、(3)データの取得、データクリーニング、データセットの突合、データベースの構築、を行った。 文献レビューによる先行知見の整理については、気候変動による健康影響(感染症、救急搬送、病院外心肺停止)について、国際誌を中心とした文献レビューを行い、先行知見について整理した。また、文献レビューの結果をもとに、研究デザイン、研究対象、データ収集、解析方法について検討し、具体的な絞り込みを行った。さらに、気候変動の指標として、地域の気象変化(気温、相対湿度、降水量等)のデータを、アウトカムの指標として、感染症発生動向調査に基づく患者情報、全国救急業務実施状況調査に基づく救急搬送データ、ウツタイン調査に基づく病院外心肺停止データをそれぞれ入手し、データベースを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた文献レビューによる先行知見の整理やデータベースの構築については、予定どおり作業が進んでいることから、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に構築したデータベースを用い、気候変動による健康影響について、統計学的手法を用いて定量的に明らかにする。また、解析結果をもとに、本研究で得られた知見について整理し、論文化を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定していた海外の関係機関への資料収集及び専門家との協議・打合せについて、業務多忙のため実施することができなかったことから、次年度使用額が生じたもの。次年度使用額については、海外の関係機関への資料収集及び専門家との協議・打合せを実施するために使用する予定である。
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Research Products
(5 results)