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2018 Fiscal Year Research-status Report

市場開放下の韓国における農村社会の再編:トルニョク経営体の展開に関する実証的研究

Research Project

Project/Area Number 18K11816
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

深川 博史  九州大学, 経済学研究院, 教授 (30199153)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高安 雄一  大東文化大学, 経済学部, 教授 (20463820)
水野 敦子  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (10647358)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords韓国 / 農村社会 / トルニョク
Outline of Annual Research Achievements

市場開放の進む韓国では近年、農村社会が急速に変化している。市場開放に備えて、競争力のある大規模農家の育成が進められたが、高齢零細農家は取り残され、農村社会の両極化が進んだ。農村の8割を占める高齢零細農家の経営継承は困難となり、農村社会の存続が危ぶまれている。そこで提起されたのが、集落地域単位のトルニョク経営体による農村社会の再編である。本研究ではトルニョク経営体の調査を通じて、農村社会再編の性格を明らかにすることとした。
研究の初年度においては、研究分担者の助力を得て、農業センサス資料の収集と分析を行い、調査地の候補地を絞り込んだ。研究分担者を交えて研究会を開催して、農業センサス分析と調査計画について報告討論した。農業センサスに見る農村社会の変容については、その後、2本の論文として執筆公刊した。
調査計画と候補地について、研究調査計画のレビューを受けるため、韓国から、トルニョク経営体研究の権威である、全北大学校のチョガオク教授を招聘した。同教授は、代表者がセンター長を務める九州大学韓国研究センターの客員研究員として、1月7日から2月20日まで1ヶ月半の期間、九州大学に滞在した。九州大学では経済学研究院に、同教授の研究室を確保し、滞在期間中に同教授の部屋で、トルニョク経営体に関する議論を行った。その議論を通じて、トルニョク経営体の経過と現状について、多くの情報を得ることができた。また、関係資料についても、同教授から多くを入手した。同教授の帰国前には、韓国研究センターの研究会において、同教授にトルニョク経営体についての報告を依頼し、研究分担者とともに討論を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、まず、韓国の農業センサスを用いて、農村社会の状況を、正確に把握することに努め、トルニョク経営体の調査準備をおこなった。センサス分析は口頭発表し、研究分担者より、コメントを受けたうえで、2本の論文に分けて公刊した。次の段階では、今回の農業センサス分析で、絞り込んだ地域を対象に農村調査の準備を進める。
また、トルニョク経営体については、韓国において、一定の研究成果があるため、初年度にはその研究成果の吸収に努めた。トルニョク研究の権威であるチョガオク教授を、九州大学に招聘し、参考資料の入手方法や、調査計画農村の選定について議論を行った。  チョガオク教授は、韓国において、2010年ごろに、トルニョク経営体育成事業が開始されて以来、同事業の事業団長を務めている。同教授の指導の下に、韓国では、数多くのトルニョク経営体が、育ってきており、調査地の選定に際して、有益な意見を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、トルニョク経営体を複数個所訪問して、実態調査を行う計画である。調査準備の段階では、トルニョク研究の権威であるチョガオク教授と綿密な打ち合わせを行っている。打合せの結果、農繁期を避けて、2019年の7月下旬から8月上旬頃に、研究分担者とともに、チョガオク教授の案内で、トルニョク経営体を訪問し、実態調査を行うこととした。代表者とチョガオク教授は、これまでに、共同の農村調査の実施経験があり、今回の農村調査の実施に際しても、緊密に連携し準備を進めている。調査後には、収集資料を分析し、チョガオク教授や研究分担者のコメントを受けて、論文を作成する予定である。また、同教授とも共同研究論文を執筆予定である。

Causes of Carryover

本来は、農村調査を実施する計画であったが、日韓関係の悪化による、調査受け入れ農村側の対日感情などが懸念されたため、渡航による調査を延期することとした。そのため海外調査に計上していた旅費が残った。その後、韓国から招へいした研究者が、調査農村への案内と受け入れ手続きをサポートすることとなり、次年度は、調査が実施可能となった。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 韓国農村社会の変化:「農林漁業総調査報告書」を中心として2019

    • Author(s)
      深川博史
    • Journal Title

      韓国経済研究

      Volume: 16 Pages: 33-47

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 2015年農業センサスにみる韓国農村社会の変容2019

    • Author(s)
      深川博史
    • Journal Title

      韓国研究センター年報

      Volume: 20 Pages: 29-42

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 2015年農業センサスにみる韓国農村社会の変容2019

    • Author(s)
      深川博史
    • Organizer
      韓国研究センター定例研究会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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