2019 Fiscal Year Research-status Report
ミドルメディアの役割に注目したフェイクニュース生態系の解明
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18K11997
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
藤代 裕之 法政大学, 社会学部, 准教授 (30403687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 浩誉 法政大学, その他部局等, 講師 (40649076)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フェイクニュース / ミドルメディア / ソーシャルメディア / ニュース / ジャーナリズム / ハイブリッド戦 / ニュースの生態系 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019(令和元)年度は,ジャーナリストらの協力で研究会を実施し,フェイクニュースの生態系分析を進めたことで,ミドルメディアにより作り出されたフェイクニュースが記事配信されることにより,オンラインで大きな影響力を持つポータルサイトに到達する「フェイクニュース・パイプライン」の存在を明らかにすることができた。その結果を「フェイクニュース生成過程におけるミドルメディアの役割~2017年衆議院選挙を事例として~」(情報通信学会誌)としてまとめた。フェイクニュースとミドルメディアの生態系に関しては,パリで開催された「Recent Trends in News Information Retrieval(NewsIR)2019」で学会発表を行った。 フェイクニュースに対抗するための研究では,昨年度ヒアリングを実施した2018年の沖縄県知事選挙に関して,フェイクニュース検証記事がどのように制作されたかを「フェイクニュース検証記事の制作過程~2018年沖縄県知事選挙における沖縄タイムスを事例として~」(社会情報学会誌)としてまとめた。選挙期間におけるファクトチェックの課題について,ワシントンで開催された「The 69th Annual International Communication Association Conference(ICA)」で学会発表を行った。 調査については,アジア地域のファクトチェック団体が取り組みを共有する「APAC Trusted Media Summit 2019」に昨年度に引き続いて参加し,アジア地域のフェイクニュースの実態を把握するとともに,International Fact-Checking NetworkやFirst Draft Newsの担当者によるワークショップに参加して,フェイクニュースの追跡手法やファクトチェックの課題を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画以上に進捗している。フェイクニュースの生態系とミドルメディアの関係について論文にまとめ,国際会議での発表も行った。2018年の沖縄県知事選挙に関して,記者のヒアリングやソーシャルメディアのデータを収集したことで、フェイクニュースに対抗するための研究も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
フェイクニュースの生成,拡散の解明から収束についての研究に重心を移し,フェイクニュースに対抗するためのファクトチェック,メディア・リテラシーの研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
予定していた研究会への協力者謝金が不要であったことによる。次年度は,ソーシャルメディアのデータ分析とフェイクニュース対抗の調査に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)