2021 Fiscal Year Research-status Report
米国所在の占領期東京写真関連コレクションのカタロギングと写真読解手法の一般化
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18K11999
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 洋一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10277832)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 写真 / アーカイブ / 占領期 / カラー写真 / 撮影地点同定 / ヴァナキュラー写真 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はこれまでの調査の成果発表を行い、それに伴う成果の整理や発表のための編集的作業が続いた。まず、2021年8月から京都府京都文化博物館で開催された『戦後京都の「色」はアメリカにあった! : カラー写真が描く《オキュパイド・ジャパン》とその後』の企画・制作を全般的に担当し、図版の選定や米国側との交渉なども頻繁に行い、同時に刊行された図録の編集・執筆を行った。なお、同展は新型コロナウィルス拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、会期途中で閉室したが、大変に反響が大きかったため、2023年2月に再度開催することとなった。 また、占領期の写真をリサーチしてきたこれまでの収集作業の成果を全般的に利用し、今日的な視点から"Sustainable Development Goals from the perspective of photographic archives: A Case Study on Photographs from Occupied Japan"を執筆した。これはSDGsを扱った英文の教科書の一部に収録され、2022年度にSustainable development disciplines for society: Breaking down the 5Ps - People, Planet, Prosperity, Peace, and Partnershipsとして刊行される。研究の方法論的な整理として、未刊行であった原稿「第二次大戦終戦後にわが国で撮影された写真の米国における所蔵状況調査」を学内紀要に上梓し、デジタルアーカイブ学会において、衣川太一氏と共著にて「写真撮影地点同定方法一般化の試み:占領期のパーソナル写真を事例として」を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった「写真読解手法の一般化」としての成果をさまざまなに生み出せるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度もここまでの調査結果をもとに、さらに成果の社会化に向けて以下の方向性で研究を進めていく。①展示:京都文化博物館での展示の再実施(2023年2月より)とともに、他の都市においても展示を実施できるように準備をしている。②書籍化:京都での展示に向けて、新たな図録の制作を行うとともに、「写真読解手法の一般化」を伝える書籍(新書)を衣川太一氏と共著で執筆し、2022年内に刊行する予定である。③論文:米国に所在する占領期日本の写真が浮上してきた現象を前提にして、パーソナルに撮られたいわゆるヴァナキュラー写真の持つ潜在的な意味や価値について考えていく。
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Research Products
(5 results)