2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K12279
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗本 賀世子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (80779661)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 入内 / 源氏物語 / 後宮 / 皇妃 / 内裏 / 殿舎 / うつほ物語 |
Outline of Annual Research Achievements |
育児休暇を取得し研究中断中だったため研究実績は特になし。 中断期間 2020年4月1日~2021年3月31日
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一年目に発表した玉鬘の娘の参院に関する研究をまだ論文化できていない。 『源氏物語』第一部の皇妃候補の入内の断念、藤壺の桐壺帝への入内、玉鬘の尚侍としての冷泉帝への入内、物語の皇子女の内裏住みの問題などもこれまでに考察する予定だったが、これも具体的にまだ発表できていない。(調査については概ね終えている)
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、後宮に関する様々な事例の調査を行い、その結果を物語内の記述と比較検討したうえで、物語の後宮の設定の意味、作者の意図について考察していきたい。 2021年度はまず、まだ論文化していない『源氏物語』竹河巻の玉鬘大君参院についての論を論文化する予定である。 次に、先帝の皇女であった藤壺の宮の入内の意味について考察し、平安時代の帝が皇族庇護の理念を抱いていたこと、藤壺入内の裏にも桐壺帝の内親王を庇護しようとする意図があったことを明らかにする。 さらに、天皇の皇子女の内裏住みの問題について扱い、史上の親王・内親王の内裏居住例と比較しつつ、『源氏物語』の光源氏の青年期の内裏住みの問題、前皇太子の娘(後の秋好中宮)が父死後に内裏住みを勧められた問題について考察する。
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Causes of Carryover |
本研究者は、2019年度に、地方の学会などに積極的に参加することを考えていたが、妊娠したために急遽学会への参加を取りやめることとなり、交通費や宿泊費が浮いて多少の残額が発生した。2020年度は育児休暇取得のため研究を中断しており、この残金は使用されていない。今後の地方学会・講演への参加費に充てる予定である。
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