2018 Fiscal Year Research-status Report
言語適性は語彙学習ストラテジーにおいてどのような役割を果たすのか
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18K12436
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
麻生 迪子 東亜大学, 人間科学部, 講師 (90625188)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 言語適性 / ワーキングメモリー / 未知語意味推測 / 中国人母語話者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中国人母語話者を対象に未知語の意味推測や辞書使用における個人差の影響について検討するものである。 初年度である本年度は,実験のグランドデザインの検討やH. 31年度実施の調査に向けての文献研究と実験材料の検討を行った。具体的には,ワーキングメモリー(以下,WM)に着目し,WMに関する先行研究を概観した。WMとL2習得の関係について検討を行った。また,本研究で用いるWM測定テストについても検討を行った。WMと学習活動の関係について目をむけることで,本研究の成果がどのように実際の教育現場で応用できるかについて検討を行った。 また,実験で用いる対象語について検討を行った。実験計画において,当初はカタカナ語を対象語候補に挙げていたが,対象語候補語の意義を確認すると多義性が乏しいため,カタカナ語を対象語候補から除外した。動詞については,ウェブ上のコーパスを利用することにより,所有する意義数,レベル,表記,頻度について調査を行った。同時に,調査対象者の母語である中国語に対訳し,検討を行った。さらに,各対象語候補について実験文を作成した。 本研究は,言語適性測定テストとして,向山(2013)の知見のみならず,先行研究の報告に基づき,L2WMについても測定する。さらに,調査協力者は,中上級以上の日本語習熟度を持つ中国人母語話者とした。調査対象語については,上級前半もしくは上級後半の多義語とした。本年度の成果は,本研究課題の土台となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
勤務校の業務が申請時より増加し,本研究課題について時間を割くことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は,実験文の精緻化ととも実験文の妥当性を研究協力者(中国人母語話者)に依頼している。中国人母語話者を対象とした研究では,漢字からの意味推測の可能性を検討しなければならない。実験材料の均質性を確保するために,中国人母語話者からのネイティブチェックは重要である。実験材料の精査ののち,本年度9月に実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
勤務校の校務が増加し,予備調査が実施できなかったため。
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Research Products
(1 results)