2020 Fiscal Year Research-status Report
カタルーニャ独立問題に伴う言語多様性継承政策のパラダイムシフトに関する研究
Project/Area Number |
18K12453
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
寺尾 智史 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (30457030)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カタルーニャ / マカ語 / アイオレオ語 / ミランダ語 / 言語多様性継承 / 言語権 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍(新型コロナウイルス、正式名称SARS-CoV-2がヒトに対して引き起こす感染症の流行による社会の攪乱)のため、現地調査を行えず、順調に進行したとは言いがたい。その中で、文献の渉猟に注力した。資料収集については、カタルーニャの現状に大いに影響を受ける中南米地域のうち、特にパラグアイについての資料収集が進展し、研究対象であるマカ語(マッカ語、マ・カ語)コミュニティの資料についてその動態を経年的に追えるだけの量を十分に確保した。さらに、やはりコロナ禍による制約のもと、これまで蓄積した研究成果を公表し、広く社会に言語多様性理解、言語多様性継承の意義を問うた。この中で、カタルーニャで行なわれているような、テリトリアリティに固執した、個人言語権、ひいては、個々の人間の幸福と相反する弊害を胚胎し、かつ、近世ヨーロッパや近代アジアの後追いのような麁略さを拭いきれない、「内部規範化・単一化を話者集団に強要したうえでの、ことばを求心力とした国民国家制度希求のn番煎じ」的情況、反対に「母語と考える言語に胚胎する言語多様性を「方言」「訛り」というあり方でしか認めない複中心言語的なパターナリズム方略」の功罪について、当該年度末出版の単著『ミランダ語が生まれたとき――ポルトガル・スペイン辺境における言語復興史』、年度末発表の論文 Socio-linguistic Dynamism among Languages: Sketching from Angola as a Frame of Reflection.やはり年度末発表の論文「対抗する言語としてのアイオレオ語-ボリビア・パラグアイ国境線からのまなざし」等で事例研究を詳しく考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍によって海外での現地調査ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が終息、もしくは少なくとも収束したと同時に海外調査を再開したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、海外での現地調査をはじめ研究の進捗が滞ったため
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Research Products
(4 results)