2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K12497
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 裕行 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70431799)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 弘前藩 / 対馬藩 / 江戸幕府 / 藩 / 取次 / 御用頼 / 奥右筆 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、江戸幕府の奥右筆の職掌などを研究するために必要な史料収集およびその内容の分析・検討を進めた。 平成30年度に収集した史料は、弘前藩津軽家の史料である弘前藩庁日記(弘前市立弘前図書館)および首都大学東京附属図書館所蔵水野家文書に含まれる老中日記である。具体的には弘前藩庁日記のうち、延宝8年(1680)から9年・宝永6年(1709)・享保1年(1716)~2年・5年・15年・延享3年(1750)・明和2年(1765)~3年・天保10年(1839)~15年・嘉永6年(1853)の江戸藩邸日記、松平能登守乗賢日記・松平右近将監武元日記など19世紀を中心とする老中日記、および「自分雑記」「内願筋公用人共取次候矩則増山弾正少弼尋候ニ付答書」「中務殿公用人不念之取計いたし候一件書付」などの江戸幕府関連史料を収集した。収集はデジタルカメラによる撮影およびマイクロフィルムからのプリントアウトによって実施し、内容の分析・検討を行った。 収集した史料から、弘前藩・対馬藩が自藩の運営のために幕府へどのような働きかけを行っていたのかを分析している。研究の成果は、平成30年8月に開催された国際歴史文化研究会第7回合宿において「幕藩関係における老中対客の意義」として報告した。また平成31年5月に開催が予定されている歴史学研究会大会において、「幕藩間交渉における非制度的関係の位置づけ」として報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既に収集した史料が計画時の予想以上に豊富な内容を持っており、その分析を優先して実施している。そのため、史料収集は計画と比較して若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
5月に開催される歴史学研究会大会にて前年度に収集した史料に基づいた研究成果を報告する。その後平成30年度同様に史料収集をすすめていく。
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Causes of Carryover |
収集済史料の分析に注力したために、史料収集に若干遅れが発生したために次年度使用額が発生した。平成31年度は史料の収集に注力する計画である。
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