2021 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の「経済大国化」に関する基礎的研究―大正期を中心に―
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18K12500
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
久保田 裕次 国士舘大学, 文学部, 准教授 (70747477)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経済大国 / 大正 / 新四国借款団 / 満蒙 |
Outline of Annual Research Achievements |
大別して三つある。 第一に、日本国内での史料調査を実施した。①国立国会図書館や公共の図書館を利用し、第一次世界大戦前後における日本の新聞資料の閲覧・複写を行った。マイクロフィルムや各種データベースを利用した。②これまでも継続してきた点であるが、大正期に大蔵大臣を務めた勝田主計に関する史料収集を行った。これも主に国立国会図書館所蔵資料を調査した。①と②ともに、適宜公共図書館での調査や代表者が所属する大学図書館を通じた遠隔利用サービスなどを利用した。 第二に、収集した史料の分析である。①収集した新聞資料の検討を行い、新四国借款団の結成に際して、日本の新聞がどのような論調であったのか考察した。②主に日本、イギリス、アメリカの外交文書の分析から、原敬内閣成立期の対中国外交のなかで新四国借款団が有していた意義を考察した。 第三に、研究成果の公表である。①学会等での発表に関しては、辛亥革命110年を記念したシンポジウムでの発表が特筆される。これまでに収集した日本国内外の史料を活用し、「辛亥革命と日本の外交―「国際協調」をめぐって―」というタイトルで報告を行った。②論文発表。本研究課題で継続的に収集してきた史料をもとに、「勝田主計の世界一周旅行(一九一四年)」、「原敬内閣成立期の対中国外交と新四国借款団」という論文が学術雑誌に掲載された。また、第一の①の成果として、「新四国借款団の結成と日本の新聞」という論文も学術雑誌に掲載された。以上のほか、新四国借款団の結成過程で見られた満蒙問題に関する日英米関係を考察した論文も投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本国内での史料調査、研究交流、研究成果の公表はそれなりに進んでいるものの、新型コロナウイルス感染拡大のため、当初予定していたような海外での史料調査が実施できていたいため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き日本国内での史料調査、研究交流、研究成果の公表に努める。今年度は本研究課題の最終年度に当たるので、収集史料の分析はもとより、学会・研究会での報告や論文の執筆など研究成果の公表を特に積極的に行う。また、今年中には、海外、特にアメリカ(National Archives and Record Administrationなど)での史料調査を実施したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大によって、海外での史料調査が実施できなかったため。
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Research Products
(4 results)