2022 Fiscal Year Annual Research Report
A basic research of the becoming economic power of modern Japan
Project/Area Number |
18K12500
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
久保田 裕次 国士舘大学, 文学部, 准教授 (70747477)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 近代日本 / 経済大国 / 中国 / 日本外交 / 横浜正金銀行 / 三井物産 / 新四国借款団 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は、主に①学術論文など研究成果の公表、②コロナ禍で十分に実施できなかった海外での調査、③海外での調査をもとにした分析などを行った。 ①これまでの研究期間に収集した歴史資料、それに基づく分析結果などを学術論文という形で発表した。まずは、論文「辛亥革命と日本の外交」を執筆し、大正初期に結成された六国借款団に関する日本外交や国際関係を検討した。次に、論文「新四国借款団の結成と満蒙問題」を執筆し、六国借款団に続いて結成された新四国借款団、結成の際に表面化した満蒙問題について考察した。以上のように、対中国国際借款団を軸に大正初期から中期までの日本の「経済大国化」と中国問題との関わりを検討した。 ②アメリカ国立公文書館(National Archives and Record Administration)において、大正期の横浜正金銀行や三井物産に関する歴史資料の調査を行った。近代日本の「経済大国化」にとって、商社や国際金融に携わっていた銀行に関する分析は不可欠である。今回の調査では、第二次世界大戦中にアメリカ政府が接収した在米日本企業関連史料を中心に調査した。横浜正金銀行や三井物産のアメリカでの経営活動やアメリカ政府との関係の分析につなげた。 ③②に挙げたアメリカでの調査を含めた国内外での史料調査によって、大正後期や昭和期にも関連する政治・外交史料の分析を進めた。国際情勢や中国情勢が大きく変化するなか、日本はどのように中国や欧米を中心とする国際社会に向き合おうとしたのかを考察した。
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Research Products
(3 results)