2020 Fiscal Year Research-status Report
A structural study on Japan's diplomatic policy toward Choson in the Edo period
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18K12503
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
古川 祐貴 島根県立大学, 北東アジア地域研究センター, 客員研究員 (00784860)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対幕府交渉 / 藩屏 / 朝鮮押えの役 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年(2020)度=最終年度は、研究課題①~③のうち、③江戸幕府による根拠(権限)の認定・保障はどのようなもので、対馬藩は自己意識・由緒(「藩屏」「朝鮮押えの役」など)の創出によって、いかなる「改変」を目指したか、を明らかにする計画であった。対馬藩が幕府に対して展開した対幕府交渉を素材に、対馬藩がどのような自己意識・由緒を形成し、それがいかなる変遷を遂げていったのかについて具体的に取り扱う。しかし、新型コロナウイルスの影響で、韓国や東京での史料調査を実施することができず、すでに調査済みの史料からでしか研究を進めることができなかった。その結果、所期の成果を上げることができず、研究期間を1年間延長することとした。 一方で、オンライン会議システムの普及から、研究会や研究打ち合わせに数多く参加することができた。7月24~25日にかけては東京大学史料編纂所教授が主宰する前近代の外交史に関する研究会に、8月7日・12月16日には北九州市立自然史・歴史博物館学芸員が主宰する研究打ち合わせに、10月6日には東京大学史料編纂所教授が主宰する対馬藩の政治・外交史に関する研究打ち合わせに、3月6日・3月27日には長崎県立大学教授が主宰する読書会(書評会)に、そして3月26日には名古屋大学教授が主宰する朝鮮通信使に関する研究会に参加した。オンライン会議システムの普及によって、普段参加することの叶わない研究会や研究打ち合わせに参加できたことは、知見を深める意味において大変有効的であると感じた。 また執筆した成果物としては、研究論文「重要文化財「対馬宗家関係資料」の修理から見た「毎日記」の生成」を共著で九州国立博物館研究紀要『東風西声』第16号に発表したほか、研究論文「対馬宗家の家督相続と朝鮮通交(外交・貿易)」、史料紹介「宗義成・義質口宣案について」の二つを『長崎県対馬歴史研究センター所報』創刊号に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で、韓国や東京といった遠方での史料調査が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年間延長したが、新型コロナウイルスの状況が大きく改善する見込みはない。感染状況が落ち着き、史料調査が実施できるようであれば、韓国や東京に出掛け調査を実施する予定である。しかし、令和2年(2020)度と同様の状況であれば、史料調査は困難であることから、調査済みの史料をもう一度見直すなどしながら研究するしかないと思っている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で支出費目の大部分を占める旅費支出がほとんどなかったため。
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Research Products
(3 results)