2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K12506
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
手塚 雄太 國學院大學, 文学部, 准教授 (60802767)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本史 / 日本近現代史 / 日本政治史 / 選挙研究 / 地方政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は①前年度までに作成した、後援会等の政治団体の設立目的・推薦者名・創立年月日等が記された戦前期の内務省警保局が作成した警察関係の一次史料(国立国会図書館憲政資料室所蔵「山岡萬之助関係文書」所収文書及び「松本学関係文書」)のデータベースを用いた分析、②守屋栄夫文書の調査・研究を中心に行った。前年度まで行っていた③都道府県文書館における警察関係史料・後援会関係史料の調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国内出張がまったくできなかったため、ほとんど進捗しなかった。ただし研究代表者の関わる自治体史の調査を通じて、千葉三郎文書(鳩山一郎内閣の労働大臣)の所在を確認できたことは成果の一つである。 ①については、2020年5月には日本選挙学会2020年度研究会にて研究発表を行ったが、コロナウイルス感染拡大の影響で論文の提出をもって発表成立となったため、会場で議論を交わすことができなかったのは残念であった。とはいえ、この成果に基づいて、放送大学の印刷教材である『日本近現代史―民意と政党―』(放送大学教育振興会、2021年)の担当部分を執筆することができた。 ②については、守屋が運営した団体の機関誌の撮影を行ったほか、一部について目録を作成した。本史料を読解した結果、①のデータベースのもとになった史料では後援会として記されていない団体が、事実上後援会として機能しており、当事者たちもそのように認識していたことがわかった。政治家の支持基盤のありかたの多様性を知ることができたといえる。 このほか追加の調査として、戦前期の世襲議員の事例調査なども行った。 また、選挙および地方政党政治に関する学術書の書評を2つ執筆し、いずれも2020年度に公表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、予定していた多くの調査をキャンセルせざるを得なかった。また、アルバイトの在宅勤務の態勢がすぐに整わず、4月から7月はアルバイトを用いた作業ができなかった。このため作業はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度、研究代表者は所属機関から在外派遣研究の命を受けた。このため日本国内での調査は研究協力者を通じて進めていくが、上記③は遂行が難しい。よって、①の論文化と、すでに史料を収集済みである②の事例研究を中心に進めていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、予定していた出張をすべて見送ったほか、アルバイト雇用による作業の開始時期が8月までずれ込んだ。このため、50万円を超える残額が発生した。 2021年度は研究代表者が在外派遣研究に従事しているため、国内出張旅費が執行できない。よって、アルバイトによる史料の入力・整理作業を中心に予算を執行するが、コロナウイルスの感染拡大が収まらず、2年連続で調査が滞っていることも踏まえ、場合によっては期間の延長も検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)