2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Basic Study of "Koenkai(personal supporters' association)" in Modern Japan
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18K12506
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
手塚 雄太 國學院大學, 文学部, 准教授 (60802767)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 選挙運動 / 個人後援会 / 政治家 / 近現代史 / 政治史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は①戦前期の内務省警保局が作成した警察関係の一次史料をもとにしたデータベースを用いた研究成果の公表、②守屋栄夫文書の調査・研究、③個人後援会と深く関わりを有する選挙運動に従事する家族に関する検討を行った。 ①については、「戦前日本における個人後援会の全国分布 ―内務省警保局資料を中心に―」『選挙研究』38-1、2022年として掲載された。同論文では、戦後日本政治の特徴とされる個人後援会は戦前に源流を有していたという先行研究の知見を確認したうえで、戦前期においては都市部を中心に設けられるなど地域差があり、量的にも発展途上にあったことなどを指摘した。同論文は日本選挙学会賞優秀論文賞として選ばれ、高い評価を得た。 ②については、日記の読解を継続して行った。今後、個別論文としてまとめていきたい。 個人後援会に関する新聞資料の調査を通じて知り得た、③選挙における候補者家族の役割については「戦前日本の選挙運動と候補者家族」『國學院雑誌』123-10、2022年としてまとめた。同論文で得た着想をもとに2023年度からは「戦前日本の選挙運動と政治家家族」として、新たに科学研究費助成金を得ることも決まった。 このほか書評として「菅谷幸浩著『昭和戦前期の政治と国家像―挙国一致を目指して』木鐸社、2019年」も『選挙研究』37-2、2022年も掲載された。また、本研究課題とも深く関わりを有する2022年の日本選挙学会分科会D【歴史部会】 戦時期日本における選挙と政党においては、討論者も務めた。 研究期間全体を通じて、新型コロナウイルス感染症の流行により研究が停滞することもあったが、本研究課題の最大の目標としていた戦前日本における後援会の全貌を量的に明らかにすることが達成され、またその成果が学会でも高い評価を得たことは最大の研究成果である。
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Research Products
(4 results)