2018 Fiscal Year Research-status Report
Hidemaro Konoye's Role in Dissemination of Japanese Culture and International Music Exchange in Prewar Japan
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18K12508
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Research Institution | Odawara Junior College |
Principal Investigator |
三枝 まり 小田原短期大学, その他部局等, 講師(移行) (10584211)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オーケストラ / 西洋音楽受容 / 文化交流 / 近代日本 / 芸術諸学 / 近衞秀麿 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 平成30年度は、7月28日に明治学院大学で開催したシンポジウム・トークコンサート・資料展示「生誕120周年記念 近衞秀麿 再発見」の準備に注力した。シンポジウムには、研究代表者に加えて、岩野裕一(編集者・音楽ジャーナリスト))、近衞一(近衞音楽研究所所長)、楢崎洋子(武蔵野音楽大学教授)、西原稔(桐朋学園大学教授)、藤田由之(指揮者・音楽評論家)、水谷川忠俊(近衞音楽研究所)が参加し、岡部真一郎(明治学院大学教授)をモデレーターとして録音や映像を交えて考察、クロストークを行った。続いて、水谷川優子(チェロ)、マーク・ゴトーニ(ヴァイオリン、ベルリン芸術大学教授)、黒田亜紀(ピアノ)によるトークコンサートを行い、近衞秀麿の音楽を室内楽で再現した。さらに、近衞音楽研究所所蔵の自筆譜を含む資料や記録の一部を、初めて一般公開した。また、シンポジウムに先立ち、7月23日から7月28日にパネル展示を行い、近衞音楽研究所のほか、明治学院大学図書館付属遠山一行記念日本近代音楽館、NHK交響楽団所蔵の資料を活用し、近衞秀麿の音楽家としての足跡を辿った。本企画はメディアでも多数取り上げられ、事前申込の希望者数は入場可能な定員を大幅に超過し、抽選を要するほどで、関心の高さがうかがえた。 2. 上記シンポジウム・トークコンサート・資料展示に合わせて、近衞秀麿が戦前にヨーロッパやアメリカで指揮をした演奏会ポスター等を修復した。これらはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会の際に用いられたものである。 3. 海外に残る近衞秀麿に関連する資料の調査に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の研究計画に準じて、ほぼ計画通りに遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にもとづき、海外に残る近衞秀麿に関連する資料の調査を、継続する。並行して、近衞秀麿と交流のあったヴィルヘルム・フルトヴェングラーやレオポルド・ストコフスキー等の音楽家の交流記録である近衞秀麿の手形集について、解題を付してまとめ、出版する。
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Causes of Carryover |
2019年度の人件費の不足が見込まれたため、資料の保全とデジタル化の推進を縮小し、次年度に繰り越した。
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