2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Diffusion of the Reformation in Lower Rhine : Focusing on Oral Communication
Project/Area Number |
18K12538
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
永本 哲也 獨協大学, 外国語学部, 非常勤講師 (60623858)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 宗教改革 / 再洗礼派 / ドイツ / メディア / コミュニケーション / ネットワーク / ヨーロッパ近世史 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 本研究の最終年度である本年度は、1530年代に下ライン地方全域で行われていた再洗礼派の宣教方法とその効果に関する分析を完了する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴うオンライン授業対応で、労働時間が通常の年と比べ大幅に増えたため、研究時間をほとんど取ることができなくなった。また、報告が決定していた日本西洋史学会大会での報告も、過労による体調不良により辞退せざるをえなかった。結果として実質的にほとんど分析は進まず、研究成果も出なかった。 2. 近年宗教改革期のコミュニケーションやメディアに関する研究の進展が目覚ましい。そのため、宗教改革の最初期に出版されたプロパガンダ的木版画ビラである「天国と地獄の馬車」(アンドレアス・ボーデンシュタイン・フォン・カールシュタット:文、ルーカス・クラナハ(父):挿絵)を中心に、新しい研究の成果や動向を踏まえて、宗教改革期の印刷物の分析方法を概観する論文を執筆した。この中で、宗教改革のメッセージは、口頭のコミュニケーション、行動としてのコミュニケーション、視覚的なコミュニケーション、文字によるコミュニケーションという4つのコミュニケーション手段と印刷物の相互作用によって、人々に伝播していったことを指摘した。本論文は、獨協大学の紀要『ドイツ学研究』に掲載された。 3. アウトリーチ活動の一環として、本研究を含む歴史研究の成果が SNS を通じていかに発信され、専門家・非専門家を問わない双方向的なコミュニケーションを促しているかを検証した論文を、『歴史学研究』に寄稿した。
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Research Products
(2 results)