2019 Fiscal Year Research-status Report
帝国都市アウクスブルクにおける水の利用と管理―給水システム、河川利用、水の記憶―
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18K12546
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡邉 裕一 福岡大学, 人文学部, 講師 (30804314)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 環境史 / 都市史 / 給水システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年注目を集める都市環境史の議論を踏まえ、中世後期から近世にかけての帝国都市アウクスブルクを事例に、都市と自然環境との相互関係および都市の生活環境の実態を、都市生活に欠かせない必需品である「水」という問題領域に着目して解明することを目的にしている。 2019年夏に、アウクスブルクの歴史的な水利システムが「ユネスコ世界遺産」に登録された。初年度から収集した記念カタログや論文集などの重要文献をもとに、研究状況の整理に基づいた研究報告を2019年11月にヨーロッパ地域史研究会(福岡大学)において発表した。その内容は、現在『西洋史学』に投稿中であり、2020年度中に刊行予定である。 しかし、残念ながら、「研究実施計画」に照らしてみたとき、研究は順調に進んでいるとは言えない。昨年度の研究遂行者のインフルエンザ罹患にともなうドイツ出張取り止めに続き、2020年3月に予定していたドイツ・アウクスブルクへの史料調査は、新型コロナ感染症の世界的な拡大にともない、中止とせざるを得なかった。以上の通り、史料調査は思うように進めなかったが、日本では関連する研究会や学会などに積極的に参加し、とくに日本史研究者との対話にむけての足掛かりを得ることができたのは2019年度の重要な成果と言ってよいだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要でも記したが、世界的な新型コロナ感染症の拡大のため、2020年3月に予定していたドイツ出張をキャンセルせざるを得なった。一年目に続き、現地での史料調査が行なえなかったことにより、本研究プロジェクトの遅れの一番の原因となった。 とはいえ、ユネスコ世界遺産登録にあわせ、アウクスブルクの水の歴史に関する論集が昨年に引き続き続々と刊行され、最新の研究成果はしっかりと把握することはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2020年度は、新型コロナ感染症の影響がどれほど長引くか判別としないが、状況を見極め、史料調査を行うことで、2年目までの遅れを取り戻したいと考えている。現地での十分な史料調査が見込めないことから、刊行史料で調査が可能な研究テーマへの重心変更なども柔軟に行い、中近世アウクスブルクにおける都市と水の相互関係について、多角的な視点から考察を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
前記の研究実績の状況でも記したように、2020年3月に予定されていたドイツ出張が世界的な新型コロナ感染症拡大のためにキャンセルとなった。当該出張費として計上していた35万円程度の予算が、そのため未執行のままとなってしまい、やむなく次年度と合わせて利用することとなった。最終年度は、新型コロナ感染症の動向を注視しながらも慎重にドイツ出張を計画し、ぜひ実現化させることで、次年度に繰り越し分の消化を行いたいと考えている。
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Research Products
(3 results)