2021 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative experimental archaeological study of stone bifacial knives in the prehistoric Egypt and West Asia.
Project/Area Number |
18K12550
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長屋 憲慶 早稲田大学, 総合研究機構, その他(招聘研究員) (60647098)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | フリント製両面加工ナイフ / エジプト先王朝時代 / 石器制作技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、これまでにエジプト現地にて実施した資料調査のデータ整理をおこない、ヒエラコンポリス遺跡のエリート墓地から出土した石器資料につい て、製作技術について検討を行なった。本年度中に、査読付き論文が1本出版された。 ヒエラコンポリスの石器は、その質の高さが以前から知られており、学者やコレクターの注目を集めてきた。当該論文では、 現在の発掘調査の結果を踏まえ、当遺跡から出土した石器をいくつか取り上げ、それらが当遺跡の既知の石器群に対する理解をどのように補強することができるかを考察した。特にHK6地区とHK25地区に焦点を当てながら、これまでに発掘された高品質の石器群の概要を図解し、その製作方法を分類し、ヒエラコンポリスにおけるこれら特定のコンテクストにおける石器の製造・流通・使用に関する考察を行った。 具体的には、出土石器について、製品の形状、出来栄え、制作技法などの観点から1)大型両面加工石器(良品)、2)大型両面 加工石器(並品)、3)小型両面加工石器(石鏃系統)、4)細石器、5)リサイクル(製作剥片転用品)という5種類に大別した。さらに、これらの5種類の 石器は、技法や技術の高さに違いはあるものの、利用石材には共通する点も見られた。このことから、墓地に供された精巧な石器は、各々が別個の生産 ラインでつくられたいわゆる「寄せ集め」ではなく、支配者により管理された工房において一元的に生産されていたことが想定された。また、これら種々の石器と被葬者との関係性に関する若干の考察も行った。
|
Research Products
(2 results)