2019 Fiscal Year Research-status Report
改正保証法の比較法的研究―韓国法・ドイツ法との比較を通じて
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18K12687
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山口 敬介 立教大学, 法学部, 准教授 (50507803)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 民法 / 保証 / 韓国法 / ドイツ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今期の研究実績は、おおむね次の3点にまとめられる。 第1に、前期の後半から今期の前半にかけて、ドイツに滞在し、ドイツ保証法の検討作業を進めることができた。ドイツの保証法については、かつてから近親者が高額な保証契約を締結した場合の良俗違反性等のテーマが日本の研究においても関心を集めてきたところ、この法理の前提となるドイツ家族財産法の規律について理解を深めた。また、日本法では近時、契約締結後の債権者の情報提供義務に関する規律が定められたところ、類似の規律に関する議論の蓄積があるドイツの状況について検討を深めた。これらの研究をもとに今年度中に論文を刊行することをもくろんでいたが、さらなる調査検討の必要性があると考え実現には至らなかった。次期の課題としたい。 第2に、前期に公刊した韓国保証法の研究について、韓国の研究者と意見交換をしてさらなる検討を要する事項を見出すことができ、これらの検討に着手することができた。次期あるいはその次の期に研究成果を公刊したい。 第3に、2020年4月から施行された改正保証法について検討作業を進めた。この改正法は、日本の法実務に大きな影響を与えることが予想されるため、法学研究者はもちろん法曹など法律実務家の大きな関心を集め、多くの論稿が出されている。これらの議論をおさえたうえで改正法についての全般的な解説をする注釈書の執筆を進めた。もっとも、執筆はかなり進んだもののこれも脱稿にまでは至らなかった。同じく次期の課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
在外研究中に滞在国の法についての研究を一定程度進めることができた。しかし、研究成果の公刊に至らなかった点で、当初の計画より遅れが出ている。次期に盛り返したい。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、ドイツ保証法についてさらに検討を深め、研究成果を公刊する予定である 第2に、韓国保証法について、前期の研究成果から見出された更なる検討課題について、引き続き調査検討する。 第3に、日本の保証法改正についての研究も公刊する。
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Causes of Carryover |
3月に海外出張を計画していたが、新型コロナウイルスにより渡航が不可能になったため、余剰が生じた。次期以降の海外出張費や書籍費等に充当する。令和2年度請求分も同様に、書籍費や出張費に充てる。
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