2019 Fiscal Year Research-status Report
Impact of political rumor spread on political consequences: Evidence from Text-Mining and Survey Experiment
Project/Area Number |
18K12707
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
秦 正樹 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (10792567)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 政治的陰謀論 / 政治的情報 / 代替的事実 / サーベイ実験 / 自然言語処理技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,当初の研究計画にもとづいて,世論における政治的デマの受容傾向を明らかにする意識調査(サーベイ実験)を実施する予定であったが,以下の理由によって調査実施を遅らせることとなった.その理由は,昨年度に実施したサーベイ実験の結果にもとづいて,日本選挙学会で行った報告(秦正樹「「"普通の"日本人」ほど騙される?:政治的デマの受容メカニズムに関する実験研究」日本選挙学会,東北大学,2019年7月)でのディスカッションによるものである.当該ディスカッションでは,「普通の日本人」を測定する際の項目について,重要な視座を得た.とくに,社会心理学等で用いられている噂の受容に関する測定尺度を改めて整理したことで,より妥当性の高い研究とつなげられることとなった.また,これらの意見を反映した新たな調査については,事前の調査を2019年11月に実施しており,プリ調査の結果を踏まえたサーベイ実験を2020年3月までに行う予定であったが,今般の新型コロナ禍を踏まえたデマについて検討するべきであると考え,調査時期を延長することとした.加えて,前述の学会での報告ペーパーをもとに英語論文化を進めている.さらに,日本政治学会での報告(秦正樹・Song Jaehyun「争点を束ねれば「イデオロギー」になる?:サーベイ実験とテキスト分析の融合を通じて」日本政治学会,成蹊大学,2019年10月)でも,憲法改正に特化した有権者の態度形成に関して報告を行っており,こちらの論文は年報政治学2020-1に掲載予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は,主に以下2つの研究内容を柱として実施した. 第一に,昨年度に行ったサーベイ実験の結果について,その成果の学会報告を通じたフィードバックを得て,論文化を進めることである.この点に関しては,「研究実績の概要」でも説明したように,いくつかの点で修正を図る必要が生じたが,既にその点を補足した上で,既に英語化して投稿する準備を進めているところである.また同様に,日本政治学会での報告(秦正樹・Song Jaehyun「争点を束ねれば「イデオロギー」になる?:サーベイ実験とテキスト分析の融合を通じて」日本政治学会,成蹊大学,2019年10月)は既に論文として投稿済であり,年報政治学2020-1に掲載予定である. 第二は,昨年度の実験結果を踏まえた新たな調査の実施であった.ただしこちらについても,「研究実績の概要」でも説明したように,学会でのディスカッションを踏まえて,当初予定していた実験デザインから修正する必要が生じた.見直した実験デザインについては,2019年11月にプリ調査をYahoo!クラウドソーシングを利用して行い,2020年2~3月に本調査を実施する予定であった.しかし,今般の新型コロナウイルスに関するデマが社会的問題となっていることもあり,デマに関するテーマ変更を行うこととしたため,調査を延期することとした.とはいえ,本調査はWEBで行うため,2020年度の早い時期に実施可能であり,2019年度の進捗の送れは十分にカバーすることができると考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,本研究プロジェクトの最終年度であり,これまでの研究成果を公表する期間に当てる予定である.ただし,リスボンで行われるIPSA(International Political Science Association)や,日本政治学会・日本選挙学会等での報告を予定していた(既に全ての学会でacceptされている)が,今般の新型コロナウイルスの問題で学会が延期となったことから,研究成果については,基本的には論文投稿を中心に行う.また,2019年度に行えなかったWEB調査を早期に行い,その結果については,オンライン研究会などでフィードバックを得た後に,早期に投稿することを考えている.
|
Causes of Carryover |
2019年度の実施することを予定していた調査について,調査票の再検討・プリ調査実施の延期・新型コロナウイルスの影響を踏まえた本調査の再設計によって,その費用分を次年度(2020年度)に繰り越すこととした.繰り越した費用はすべて調査費用に用いるものであり,2020年度の早いうちに調査を実施することを予定している.
|
Research Products
(9 results)