2021 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of political rumor spread on political consequences: Evidence from Text-Mining and Survey Experiment
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18K12707
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
秦 正樹 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (10792567)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 政治的陰謀論 / フェイクニュース / サーベイ実験 / 政治的誤情報 / 動機づけられた推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,(1)本来の最終年度であった2020年度にコロナ禍で取り組めなかったテーマおよび,コロナ禍により一部研究対象を変更したテーマについてのWEB調査(サーベイ実験)の実施,(2)その研究成果について学会等での報告の2点に焦点を絞って研究を進めた.まず,WEB調査について,当初の計画では,陰謀論的な言説が,実際の投票行動に与える影響を検討することとしていたが,コロナ禍において,新たな陰謀論が様々に噴出したことを受けて,その計画を一部変更し,コロナ問題に特化した陰謀論の受容メカニズムについて検討することとした.ただし,検討する方法自体は,当初の計画(ヴィネット実験)にもとづいており,陰謀論的言説の持つ複雑な要素のうち,どのような要因が,その受容と結びつくのかを検討した.具体的には,新型コロナウイルスの武漢ウイルス研究所起源説に関する陰謀論を取り上げ,その説を取り巻くメディア主体やレトリックなどとの相互作用に関する分析を行った.実験の結果より,(1)およそ10%の人が武漢ウイルス研究所起源説を信じていること,(2)「実は裏で」とか「裏で大きく」といったレトリックによって10から15%ほど信じる確率が高まること,(3)その傾向は,政治的な知識が中程度〜高い人々に特徴的に見られることの3点が明らかになった.これまで,陰謀論を構成するどのような要素が,それを信じさせる効果を持つのかまでは不明であったことから,これらの発見は,偽情報対策の一助となることが期待できる.また,これらの研究成果は,2021年度日本政治学会研究大会において報告し,政治学者をはじめ,社会学者や言語学者からもフィードバックを得ることができた.
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Research Products
(11 results)