2018 Fiscal Year Research-status Report
地域医療体制の確立に向けた医療供給者行動の準実験的実証研究
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18K12809
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Research Institution | Institute for Health Economics and Policy, Association for Health Economics Rsearch and Social Insurance and Welfare |
Principal Investigator |
高久 玲音 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)), 医療経済研究機構, 主任研究員 (80645086)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医師の就業行動 / 医療機関行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はデータの取得を進めるとともに、医師の就労状況についてアルトマーク社のデータを用いた基礎的な解析を行った。分析結果によれば、入学段階において高難易度の医学部に入学したものはその後、急性期病院で就労し続けやすく、プライマリーケアを提供する医療機関で就労しにくいことが示唆された。高難易度の医学部に入学したものがどのような市町村で就労するか検討した。ただし、データを購入する必要があるものの、研究代表者の所属先変更に伴い、アルトマーク社との契約締結が困難になってしまった。ただし、外来管理加算の分析についてはある程度の進捗があった。わが国の診療報酬体系では200床未満の病院では外来診療に対し外来管理加算を算定することが可能である。この加算のインセンティブ効果として、患者を意図的に頻繁に通院させ収益をあげる点が指摘される。統計的には「患者調査」から「前回受診時からの日数」を確認することで、この効果の有無は把握できる。また「受療行動調査」では「待ち時間」や「満足度」なども把握が可能である。患者を頻繁に通院させる場合、待ち時間も長くなると想定される。中途的な分析の結果で断定的な結論ではあるが、こうした傾向はデータで確認できた。今後は、こうした中小病院に高い外来報酬を与える政策が、日本においては病院の数が極めて多い原因である可能性について、計量経済モデルから実証的に明らかにすることが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動による。異動が決定した段階で、データの取得主体が所属機関単位であるため、所属機関が変わる場合には締結をし直す必要があることが判明した。そのため、新しいデータの入手を旧所属先で進めることが困難になってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後については、まずアルトマーク社のデータを新しい所属先で鋭意購入することから始める必要がある。またそれと同時に、医療機関単位の行動に関する分析を平行して進める必要がある。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属変更に伴い、出費を検討していたデータが購入できなくなった。今年度については所属先の変更はないことから、使用計画通りに執行可能である。
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