2020 Fiscal Year Research-status Report
地域医療体制の確立に向けた医療供給者行動の準実験的実証研究
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18K12809
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高久 玲音 (タカクレオ) 一橋大学, 国際・公共政策大学院, 准教授 (80645086)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医師の就業行動 / コロナ / 自然実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はコロナ禍を自然実験とみなした解析を行うための基礎資料の作成に従事した。特に、SCUELデータ社から地方厚生局が発行している医療施設データベースの全国版を購入し、コロナ禍で開業医が減少していないか確認した。暫定的な結果としては、観察期間が短いこともあり診療所数に顕著な増減はみられないものの、開業年数が長い古い診療所の閉院が微増していた。また、診療所に勤務する医師数にも診療科ごとに相違がみられた。特に複数の医師が勤務する小児科では、勤務医師数の低下が観察された。その他の結果についても、現在は解析中のため暫定的な結果に留まるが、自然実験により医師の就業行動を明らかにするという本研究計画の主旨に照らして、着実な進捗が見られていると判断できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医師の就業行動を探索するための代表的なデータベースにアクセスすることが本科研により可能になっており、成果は昨年度はHuman Resource for Health誌に掲載されるなど目立った進捗があった。今年度についても引き続き良好なデータベースを活用した研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在進行中のコロナ禍を自然実験とみなした医師の行動変容分析をさらに進める予定である。現在、資金的な面から2020年1月と2021年1月のデータのみ購入しているが、さらに長期的な影響を把握するために今年度は2022年1月のデータを購入できないか検討する予定である。また、成果は国際誌に掲載されるよう英語での論文執筆も進める必要がある。
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