2018 Fiscal Year Research-status Report
「離職意思」から「離職行動」への移行要因・メカニズムの実証研究
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18K12845
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Research Institution | Tama University |
Principal Investigator |
初見 康行 多摩大学, 経営情報学部, 准教授 (50737286)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 離職 / 離職意思 / 離職行動 / 自発的退職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「離職意思」と「離職行動」の2種類のデータを使用することによって、組織成員の「自発的退職(voluntary turnover)」を引き起こす要因・メカニズムを明らかにすることである。本疑問を明らかにしていくため、本研究では「離職意思」と「離職行動」の2種類のデータを使用することによって、「意思」と「行動」の隔たりを明らかにする。また、これまで組織成員の離職理由として注目されてきた「仕事上の要因(on-the-job components)」だけでなく、「仕事外の要因(off-the-job components)」にも注目し、多用な視点から離職行動の要因・メカニズムを探っていく。 上記目的を達成するため、本年度は研究計画の精緻化と、「離職意思・離職行動」のデータ収集をテーマに研究を推進した。具体的には、定量分析を行うための概念定義、尺度の選定、理論モデルの精緻化等である。離職研究の広範なメタ分析によれば、「職務満足」や「組織コミットメント」などの伝統的な概念は、離職の予測に有効ではあるものの、それらの変数が、場合によっては離職行動の数パーセントしか説明しないことが報告されている。それゆえ、本研究では上記の伝統的な概念に加え、性格特性(Big5 モデル)や生活環境等の質問項目を調査票に加えることによって、仕事外の要因が離職行動に及ぼす影響を検討していく。本件については、第1回のWEB調査を2018年10月に実施し、計画したサンプル数のデータを取得することができた。 2019年度は、第2回の調査を10月に実施し、追跡調査によって1年間の間に退職した者のパネルデータを取得していく。また、取得されたパネルデータの分析を進め、「離職意思」が「離職行動」をどの程度説明するのか、「離職意思」から「離職行動」を促進する要因等について分析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究計画の目的であった、研究計画の精緻化、調査票の作成、Web調査の実施を滞りなく行うことができた。本研究は分析テーマから、事前の「離職意思」と、事後の「離職行動」のパネルデータが必須となる。それゆえ、調査開始からデータ収集まで少なくとも1年間の時間が必要となるが、2019年10月には第2回の調査が実施可能となった。今後も遅延なく研究を推進していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年10月に第2回調査を実施後、パネルデータの分析を開始する。2019年度末には、分析結果をまとめ、組織学会、経営行動科学学会等で学会発表を行う。また、学会発表での指摘事項を踏まえ、第3回目の調査内容を検討していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額4,532円については、当該年度に取得予定であった書籍購入を次年度に繰り越したためである。本年度請求分と合わせて、書籍の購入、第2回調査費用に使用予定である。
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