2018 Fiscal Year Research-status Report
「両利き経営」を実践するマネジャーの特性に関する研究
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18K12864
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
塩谷 剛 同志社大学, 商学部, 助教 (80711100)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 両利きの経営 / 探索 / 活用 / 両利きのマネジャー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マネジャーによる「探索」(exploration)と「活用」(exploitation)に関する活動を促進する要因を明らかにし、これらの活動を両立させる「両利きのマネジャー」(Ambidextrous Manager)の存在が企業パフォーマンスに与える効果について検討することにある。 今年度は、両利きのマネジャーに関する文献レビューを行い、個人レベルにおける「探索」「活用」「両利き」の定義に関する近年の議論を整理した。また、本研究の前段階として2016年度~2017年度に実施した農業経営者を対象とした質問票調査を用いて農業経営者における「探索」と「活用」の取り組み状況に関する記述統計を作成した。また、「探索」と「活用」のデータを用いた散布図を作成し、「両利き」である農業経営者の割合を視覚化した。結果、農業経営法人において「探索」と「活用」を両立させる「両利き」の経営者は比較的少数であることが示された。上記の成果を学内紀要にて発表した(塩谷剛(2019)「農業経営者における「探索」「活用」尺度の開発」『同志社商学』第70巻第4-5号2019年2月)。 また、上記データを用いて他の学術誌に投稿した論文は、「修正後再審査」になり、現在修正中である。レフェリーから実証モデル、質問調査票に関するコメントもあり、これらの情報も2019年度以降実施する本研究における実証モデルの構築、質問票調査の作成に反映していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度の課題は、両利きマネジャーに関する文献レビュー、インタビュー調査、質問調査票の作成であった。文献レビューに関する成果は学内紀要に発表することができたが、インタビュー調査、質問調査票の作成ができなかったという意味で進捗が遅れている。しかしながら、その代替として、両利き経営を実践するマネジャーの抽出方法に関する研究を追加で実施することができた。この論点は、本研究を進めていくうえで非常に重要であると考えられるが、申請時における研究計画外の研究であるため、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に実施できなかったインタビュー調査と質問票調査を実施する。質問調査票をより精緻化させていくため、インタビュー調査では、インタビュイーに対して質問調査票を用いた試験調査も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ当初の計画通りに予算の執行はできた。残額1,374円は誤差範囲内であると思われる。
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Research Products
(1 results)