2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive research on capital investment efficiency
Project/Area Number |
18K12906
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
太田 裕貴 静岡産業大学, 経営学部(藤枝), 准教授 (70779834)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 投資の効率性 / 複数大株主 / コーポレートガバナンス / 日本企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる22年度は複数大株主と投資の効率性の関連性を検証した。これまでの自身の 研究で経営者の非効率な投資の意思決定にはコーポレートガバナンスの脆弱性が影響を与えることが示唆されていた。22年度で注目したのは企業の株主構成である。 とくに大株主は株主を代表して経営者をモニタリングする存在であり、コーポレートガバナンスに好影響を与えると考えられてきた。しかし、一方で大株主と少数株主の利害対立を考慮すると、必ずしもそうとは限らない。このように大株主に関するmixed evidenceを踏まえて、近年企業内に大株主が複数存在する場合のコーポレートガバナンスを検討する研究が数多く存在する。とくに海外の研究を中心として、複数大株主がコーポレートガバナンスに好影響を与えることを示唆する証拠が多く提示されている。 中でもJiang et al.(2018)は中国企業を対象に複数大株主が存在する企業と単独大株主が存在する企業の投資の効率性を比較し、前者の方が投資の効率性が相対的に高いことを明らかにしている。ただし、中国企業と日本企業では株主構成が大きく異なる。このような背景から日本企業を対象に複数大株主が投資の効率性に与える影響を検証することを試みた。その結果、日本企業を対象にした場合は複数大株主を有する企業において投資の効率性が高まるという証拠は得られないことを明らかにした。 22年度の研究成果は学会報告1回査読付きの研究紀要への1本の論文公表である。
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Research Products
(2 results)