2019 Fiscal Year Research-status Report
障害者の子を持つ困難に影響を与えるローカルノレッジとしての医学的観点の解明
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18K12928
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 恵子 大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (70707314)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 障害 / 家族形成 / 医学的観点 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
1)調査の進行について 障害者の家族形成に関する医学的観点を明らかにするため、今年度は障害者の家族形成に関わる医療者に聞き取り調査を実施した。調査対象の詳細は、周産期医療・小児医療・生殖医療に携わる医師、看護師、助産師、および生殖医療にあっては胚培養士であり、聞き取り内容は障害者の妊娠と出産に関する意見、障害者に接する際に気をつけていること、障害者の排除に繋がるとされる各種医療技術に関する意見、障害者の家族形成にまつわる社会の動きに関する意見などである。 調査をすすめるなかで、研究目的を十分果たすには、当初の予定であった医療者だけではなく、精神医療に携わる医師も含めることが適切であることがわかり、秋以降は調査対象を広げた。その結果、ほぼ予定通りの調査協力者を得て、幅広いデータを収集することが叶った。 2)研究成果について 聞き取り調査から、障害者の家族形成を支援する医療としての役目と、それを理想的に実行できない医療のシステム上の課題(医療機関内外の連携、専門の細分化過多、医療経済面、地域医療格差、科学的エビデンスの重視など)が数多く挙げられた。また、障害の厳密なる医学的観点とは別に、個別の臨床経験から生まれたと考えられる視点も抽出され、医療者には障害を臨機応変かつ非常に幅広くとらえる面があることもわかった。さらに、厳密なる医学的観点と個別の臨床経験から生まれた視点との間に軋轢があることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を達成するため当初の予定を一部変更したが、研究対象者の協力を順調に得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は障害者から家族形成に関する経験を聞き取る予定であるが、コロナウイルスの蔓延により、調査の開始時期を当初の予定よりも延期する予定である。調査対象者には療養中の基礎疾患があることが前提であるため、これはやむを得ない措置であると考えている。コロナウイルスの沈静化を待ち、調査開始時期を見極めたい。
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Causes of Carryover |
研究成果を広く知ってもらうためのウェブサイト制作を次年度以降へ延期した。理由は、2019年度および2020年度実施するインタビュー調査の成果をじゅうぶん分析したうえで、まとめて公表した方がよいと考えられたからである。
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Remarks |
研究費にて作成予定の研究成果ウェブサイトと上記ブログは、本年(2020年)度以降にリンクさせる計画である。
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Research Products
(4 results)