2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢期の認知機能低下は生きがい就業を不可能にするか;支援方法構築のための基礎研究
Project/Area Number |
18K12989
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Research Institution | The Dia Foundation for Research on Ageing Societies |
Principal Investigator |
中村 桃美 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, ダイヤ高齢社会研究財団(研究部), 研究員 (80759829)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知機能低下 / 高齢者 / 就業 / シルバー人材センター / 生きがい就業 |
Outline of Annual Research Achievements |
埼玉県S市のシルバー人材センターに在籍する職群班リーダーを対象に認知機能に関する調査及び認知症の人に対する態度・知識の調査を実施した。 その結果、自身が担当する班内に認知症が疑われる会員がいると回答したリーダーは4.8%に留まった。態度尺度の総合評価は一般高齢者よりも優れていたが、知識尺度得点は一般高齢者よりも低い得点であった。知識の設問で誤回答率が高かったのは、『不慣れな場所に不安を感じると徘徊が生じやすい(71.4%)』『認知症の人のうつ状態は,自身を失いやすい状態にあることを表している(63.3%)』『認知症の人は,急がされたり,注意を受けたりするときは混乱を感じる(44.9%)』であった。よって、リーダーの95%は,認知症が疑われる会員は存在しないと考えており、現状認識が不十分であることが推察された。リーダーの認知症に対する総合的な態度は良好であるものの、知識面では初期に見られる症状への理解が不足している傾向がみられ、このことが就業中の班員の行動から認知機能の低下を察知しにくくした可能性が示唆された。 調査後には、職群班リーダーの中から代表者9名を選出し、本調査結果について検討する委員会を設置した。委員会では、結果の考察や今後の対応について意見を出し合い、次年度も引き続き行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、おおむね順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(最終年度)では、引き続き委員会を行うとともに、委員会で得られた意見を取り纏めたマニュアル等の成果物を作成する。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた委員会や調査が新型感染症の影響で中止となり、次年度に延期となったため。
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Research Products
(1 results)